今回はオリーブの植え方や育て方、剪定とお手入れについてのまとめについて書いていきます。
オリーブとは
オリーブの木はモクセイ科オリーブ属の日なたを好む地中海地方で古くから親しまれている、現在日本でも人気の庭木の一つです。
- 学名:Olea europaea
- 英名:Photinia × fraseri
- 科属:モクセイ科オリーブ属
- タイプ:常緑/広葉樹
- 樹形:幹立ち
- 樹高:10~15m
- 開花期: 5~6月
- 結実期:10~1月
オリーブの特徴
オリーブの木の特徴は、、鉢植えや地植えでも育てられることから、比較的育てやすい庭木で日本で暖かい地域では人気があります。オリーブの実が取れるので、自家製のオリーブオイルを作る方もいらっしゃいます。
オリーブの幹は硬く、灰色や黒っぽい色をしています。古い木の幹は不規則な形をしており、厚みがあります。
また、オリーブの木は非常に長寿で、1000年以上生きることもあります。
オリーブの葉や実の健康
オリーブには、健康に良いとされるオレイン酸やポリフェノールなどが含まれています。
オレイン酸は、善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールのみを減らす働きがあります。
オリーブの果実や葉に含まれるポリフェノールは、オリーブオイルの苦味や辛味の成分で、一般的に若い緑の果実に多く含まれています。
からだの中での抗酸化作用があり、LDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑える効果が知られています。
オリーブのお祭り
オリーブは健康にもいいことからご家庭まで広く浸透しており、皆さんに親しまれています。
日本にはオリーブをテーマにしたイベントがいくつかあります。
例えば、今年はもう終わってしまいましたが国際オリーブオイルコンテストが4月10日に行われています。
オリーブの品種
オリーブの品種は世界でも非常に多く、それぞれの特性があります。
- オリーブ・シプレッシーノ
- オリーブ・ネバディロブランコ
- オリーブ・マンザニロ
- オリーブ・ルッカ
- オリーブ・ミッション
- オリーブ・オヒブランカ
- オリーブ・レッチーノ
- オリーブ・プルミエーラ
- オリーブ・カラブリアーノ
- オリーブ・マンザニーリャ
- オリーブ・ゴルメット
- オリーブ・セビリャーノ
- オリーブ・フルントイオ
- オリーブ・レッジョ
- オリーブ・タガスカ
このように世界ではたくさんのオリーブがありますが、日本で広く出回っている品種はこの中でも、以下の品種は、日本の気候条件でも育ちやすく、栽培が比較的簡単で園芸店でも見かけれます。
- オリーブ・レッチーノ
- オリーブ・タガスカ
- オリーブ・ミッション
- オリーブ・セビリャーノ
品種により、木の成長や形が異なりす。一部の品種は大きな木になり、広がる樹形を持つ一方で、他の品種はより小さく、より直立した樹形を持つことがあります。また実の味も品種によって変わります。
オリーブ・レッチーノの特徴
オリーブ・レッチーノは、イタリア原産のオリーブ品種で、黄緑色の果実をつけ、オリーブオイルの生産に適しているとされています。主な特徴は次になります。
- 果実は楕円形で、中程度の大きさを持ちます。
- 果皮は薄く、果肉は柔らかく、果汁の量が多いため、オイルの生産に適しています。
- 葉の形状は、細長い楕円形で、全体的にやや細長く尖っています。
- 葉の長さは5〜10cm程度で、幅は3cm程度です。
- 葉の表面は光沢があり、裏面はやや白っぽくなっています。
- 栽培にはある程度の注意が必要で、霜に弱く、病気にもかかりやすいです。
オリーブ・タガスカの特徴
オリーブ・タガスカは、イタリアのリグーリア州西部にあるタッジャ村周辺で栽培されているオリーブ品種で、オリーブオイルやブラックオリーブなどの加工品に利用されます
- 果実は小型で、長さが2〜2.5cm程度、直径が1〜1.5cm程度です。
- 果皮は黒紫色で、滑らかで艶があり、やや薄い。
- 葉の長さが3〜6cm程度、幅が1〜2cm程度であるとされています。
- また、葉の表面は暗緑色で光沢があり、裏面は淡緑色でやや毛が生えています。
- 果肉はやわらかく、種が大きく、果肉に密着している。
- 油分が多く、風味は芳醇で、苦味と辛味はほとんどない。
- イタリアのリグーリア州西部にあるタッジャ村周辺で栽培されている。
オリーブ・ミッションの特徴
オリーブ・ミッションは、アメリカ合衆国原産のオリーブの品種のひとつです。18世紀にカリフォルニア州にスペイン人によって導入され、カリフォルニア州を中心に栽培されています。
- 比較的小さな果実で、平均して長さ2~2.5cm、幅1.5~2cm程度です。
- 果実は楕円形で、やや細長い形をしています。
- 黒紫色の果皮を持ちます。
- 果実はオイル用としても、漬け物用としても使われ、苦味と辛味もあります。
- 耐寒性があるため、比較的寒冷地でも栽培することができます。
オリーブ・セビリャーノの特徴
オリーブ・セビリャーノは、スペイン原産のオリーブの品種のひとつです。果実は大粒で、果皮は黒紫色、果肉は緑色をしています。
- 果実の大きさは、平均的には直径1.5cm〜2.5cm程度です。
- 楕円形をしており、表面にはわずかに突起があります。
- 色は未熟な段階では緑色で、熟すと黒紫色になります
- オリーブの中でも果実成熟が遅い
オリーブの植え方(植栽)
オリーブの元気に育つための植え方は次の5つに気を付けなければいけません。
- 土壌改良
- 植える時期
- 植える箇所の広さ
- 日当たり
- 風あたりと支柱
土壌改良
土壌の準備 オリーブは、水はけの良い土壌が好みです。、排水性が悪い場合は、土壌改良が必要です。植え付け前に、十分な量の有機物質や堆肥を混ぜ込むことが望ましいです。
また土壌はアルカリ性よりが適しているため、貝殻や石灰などを含ませてもいいかもしれません。一般的にPH(ペーハー)値は7~8くらいがいいと言われています。
植える時期
植え付け時期 オリーブの植え付けは、秋から春にかけてが適しています。特に、冬の霜に弱い品種が多いので植え付けの時期のベストは4月~5月。
植える箇所の広さ
間隔と深さ オリーブは、間隔を広くとることが必要です。一般的には、幹同士が接するくらいの距離を取ると良いでしょう。また、苗木の根元を埋めすぎないようにし、鉢底の上面が地面と同じ高さになるように植え付けるのが良いです。
日当たり
オリーブは日当たりのよい場所で育つので、できるだけ日照時間が長く当たる場所に植えるようにしましょう。。
以上のように、適切な土壌、植え付けの時期や広さ、そして日当たりなどの環境がオリーブの元気な成長に必要不可欠です。
風あたりと支柱
オリーブの根は他の庭木に比べ浅めに成長します。
浅めに成長するのに枝の密度や葉が濃くなりがちで、樹木自体がグラグラしがちで何度も倒れているのを見かけます。ですので風が強い地域では風よけや、支柱を設置することが必須になります。
実際に倒れたオリーブを直した作業事例があります。気になる方は下記のボタンよりご覧ください。
植えるオリーブの高さによって支柱の強度が変わるので、支柱の方法がわからない方は下記のボタンから支柱設置方法をご覧ください。
植木を枯らさずに植える方法はコチラ
基本的な植木を枯らさずに植える方法は下記のボタンより別ページに記載しておりますので気になる方はご覧ください。
オリーブの木の価格
オリーブの木は最近高くなってきています。
オリーブを購入する時の材料費(販売価格)は木の高さが1メートルまでなら5,000~20,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら20,000~60,000円程度。3メートルまでなら60,000~100,000円程度が目安となります。
植木は季節もので、同じ形のものはありません。お値段の変動が激しいので植えたい方は必ず御見積後のご案内になります。
オリーブを植える料金
オリーブの植える料金は木の高さが1メートルまでなら10,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら2,0000円程度。3メートルなら30,000円程度が目安となります。
オリーブの育て方
オリーブの育て方は肥料、水やり、剪定時期に合せた剪定方法など、植えた後でもひと手間がかかせません。
肥料
オリーブを育てていくときには肥料はかかせません。窒素、リン、カリウムなどの3大主要な栄養素に加えて、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガンなどの微量栄養素も必要です。
一般的にオリーブの肥料は、有機肥料や化学肥料が用いられます。有機肥料としては、堆肥や腐葉土、鶏糞や牛糞などがあります。これらの有機肥料は、根に優しく、長期間にわたって栄養を供給することができます。
またホームセンターやインターネットでは、オリーブの肥料という商品名で創業50年の東商さんが販売しています。
他にもオリーブ用の錠剤肥料がハイポネックスさんから販売されていて、これは土の上にまき水をあげるだけの商品になっています。
水やり
オリーブの水やりは控えめで済みます。地中海原産が多いオリーブは夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨が多い気候の植物なので基本的に土壌が乾燥をしていても問題はありません。(ずっとあげないと枯れてしまいます。)
基本的にお水はあげるタイミングは土壌が乾燥してからで朝方にあげるのが効果的です。
植え付けから2年ほどは乾燥してから1日ほどしてからあげなければ実の付きが悪いので水やりの頻度を考えて行う必要があります。
一般的には5年以上経過したのが大人になった成木と言われています。真夏には土壌が乾燥した場合はたっぷりとお水をあげる必要がありますが、成木になった際は、5日から1週間ほどあけても問題ないと言われています。実をつけるためには水やりの頻度は調整しなければいけません。
剪定
オリーブの剪定で一番気にするところは風通しの良い環境を作ってあげることです。
これはオリーブの木の健康を維持することになります。風通しが良くなると、オリーブ全体に光が行き届き、光合成も行うことができるようになります。また風通しが良くなると悪い虫が近くに寄ってこなくなります。
オリーブの剪定は植木屋さんでなくてもできる箇所がいくつもあります。まずは不要枝を取り除くだけで風通しがよくなります。次に長くなりすぎた枝先を短くすると効果的です。
オリーブの剪定をするときの注意点
オリーブの剪定をするときの注意点は剪定後にオリーブが弱ったり枯らさないようにすること。
次に実をつけたい人は剪定時期に気を付けるです。オリーブは花を咲かせて受粉をした後に実をつけます。花を咲かせるのは4月なのでこれ以降、実が生る期間までは剪定はできません。
花が咲く期間や実のなる時期は品種によって違うため注意が必要です。
植木を枯らさずに剪定する方法
庭木の基本的な剪定方法と枯らさずに剪定する方法は下記のボタンをクリックしてお読みください。
オリーブの剪定料金
オリーブの剪定料金は木の高さが1メートルまでなら2,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら4,000円程度。3メートルなら7,000円程度が目安となります。
沼山造園では実際にオリーブの剪定を行っています。気になる方は下記のボタンよりご覧ください。
オリーブの刈込料金
オリーブの刈込料金は木の高さが1メートルまでなら1,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら2,000円程度。3メートルなら3,000円程度が目安となります。
オリーブの剪定時期
オリーブの剪定に適している時期は冬です。完全な休眠ではありませんが、半休眠時期である12月から2月ごろにかけて剪定を行うのがオリーブの切り口の修復が円滑に行われます。
詳しい剪定時期について知りたい方はコチラ
オリーブの花が咲くのはいつ?
オリーブの花は一般的に春から初夏にかけて咲きます。南半球では10月から12月にかけて咲くことが多く、北半球では4月から6月にかけて咲くことが多いです。
オリーブの花は、直径約 4 mm ほどの白色の花で、花弁は4枚あります。花の期間は比較的短く、1週間から10日程度です。
虫たちによって受粉が成功すると、オリーブの実ができることになります。
また、受粉は同系統のオリーブ同士だと成功しにくいため、系統別のオリーブが虫の活動範囲になければいけません。
オリーブの花が咲かない理由
オリーブの花が咲かないのは次の5つの理由が考えられます。
- 新しい枝の先を剪定してる
- 剪定時期を間違えている
- 日当たりが悪い
- 花を咲かせる栄養が足りていない
- 水が足りていない
オリーブの花は、主に新しい枝の先端に形成されやすく。枝先を刈込むような剪定を行うと花がつくはずだった枝がなくなってしまいます。また、花が咲く前の4~5月の時期に剪定をおこなうと同じく実をつける枝をなくしてしまいます。
また、オリーブに必要なリン酸やカリウムの欠乏、大好きな水が足りていない、必要な光合成が行われていないなどが起きると花を咲かせることができません。
植木を元気にする方法
この記事を読んでもオリーブがどうしても花が咲かないなど元気に育ってくれない場合、庭木の基本的な環境が整っていない可能性があります。詳しいことは下記のページに書いていますのでご興味ある方はお読みください。
オリーブは植えてからどれくらいで実がなる?
オリーブの実がなるまでの期間は、一般的に苗から植えてから5年から8年程度経過した頃から、初めて実をつけ始めることがあります。
オリーブの木は一度実をつけだすと年々実をつけやすくなる傾向があります。
オリーブの実がなるまでに時間がかかる理由
オリーブの実がなるまでに時間がかかる理由は根と枝が伸びるまでに時間がかかるからです。
そのため、肥料をあげ、剪定を行うと成長が早いため実が付くのが早くなります。
オリーブの実がならない理由
オリーブの実がならない理由は、実を付ける条件が整っていないことが理由になります。
それは次の5つの理由が関係します。
- 花が咲いていない
- 剪定時期を間違えている
- 受粉が成功していない
- 自家不和合性が起きている
- 近くにもう一本のオリーブがない
まずオリーブのお花が咲かないと実がつきません。まずはお花を咲かせるように対処をしましょう。
また、剪定時期が間違えている。花が咲いた箇所を剪定すると実がつきません。
次に花が咲いた箇所に受粉を成功させる虫が寄ってこないことが理由です。隔離した箇所にオリーブがあると虫が寄ってこれないので花が咲いている時期は外にオリーブを運んであげましょう。
最後にオリーブは同じ品種同士では受粉が成功しないようになっています。自家不和合性と呼ばれる現象が起こるからです。異なる品種の花粉が必要になるため、別品種のオリーブが近くにもう一本ないといけません。
オリーブの実は鳥に食べられないようにする
オリーブの実がなると鳥がよってきます。
実がつくころに木や枝ににネットを張ることで、鳥から実を守ることができます。ただし、ネットは実を守るために張るものなので、長期間にわたって張りっぱなしにすると、枝や葉に傷をつけたり、木全体に負担をかけたりすることがあるため、注意が必要です。
く整えることができます。ただし、剪定の過度なカットは、木に負担をかけ、実をつけにくくすることがあるため、注意が必要です。
【まとめ】オリーブの適切な育て方
オリーブは豊富な品種があり、日本の気候にあったオリーブを水やりや肥料、剪定など適切育成方法を守り育てるとたくさんの実をつけます。比較的育てやすく、手をかければ苗木から育てていても早く実をつけてくれるでしょう。
この記事を読んで、ちょっと自分でオリーブの植栽や剪定をできそうにないと思われた方は、庭師に相談することがおすすめです。
この記事を書いた庭師がいる東京の世田谷区にある沼山造園では、剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。