お休みの日に偶然立ち寄った世田谷の洋服屋さんの前に生えていてたコニファーの木がドサッと倒れていました。樹木の種類はコニファーのゴールドクレストという樹木でしたが高さは2.5mほど、幅は1mもない樹が道路に向かって倒れていました。
前日が台風ということもあり、そんなに強い風が吹いた台風でもありませんでしたが、ある原因によって樹木は簡単に倒れてしまいます。
今日は倒木の原因と実際に私が行った倒木対処の作業事例を踏まえその対処について書いていきます。
実際に倒木が起きていてどうしたらいいかわからなく困っている人の為にこれからの対処を仕方をこのページ下部の倒木対処方法という箇所で説明していきますのでそちらからご覧ください
台風が多い10月から11月の雨と風によって「倒木」をしやすくなる4つの原因
原因はタイトル通り雨と風なんですが、倒れやすい木は次の4つののような原因があり2つでも揃うと木が倒れやすくなります。
- 枝葉が多く風の当たる面積が多い
- 葉が多くの水を吸っている
- 根が風の力に耐え切れない
- 雨により土がぬかるむ
一つ一つご説明し解決策も載せておきます。
枝葉が多く風の当たる面積が多い
枝葉が多いというのは剪定不足または剪定方法が問題で風をもろに受けてしまっています。
解決策はもちろん剪定です。専門用語でいうと刈込風の剪定時に多く枝葉の壁ができてしまっているため、不必要な枝を取り除く剪定が必要です。
葉が多く水を多く吸っている
葉は水を吸います。
木は自分からは水分を必要以上に蓄えたりしないのですが雨が長時間降り続けると雨が葉に浸みこみ、通常より木全体が重くなります。
解決策はこちらも剪定です。葉の量を減らし木全体のバランスをとってあげましょう。
根が風の力に耐え切れない
木の重さが増しやすい雨の日に木自身の体重を支えられなくなり根っこごと風や重みで倒れてしまいます。
また植えている箇所が花壇や植え桝といった狭い場所だと根が必要な広さを確保できていない可能性があり倒木に繋がります。
解決策は剪定と支柱の設置です。木の重みも理由の一つですが、根がはれていない若木が倒れやすいので支柱をして木を補助してあげましょう。
支柱の必要性については下記をクリックしてご確認ください。
雨により土がぬかるむ
大雨や長い時間の雨は普段の土の硬さがなくなり、ぬかるんできます。根っこが土の中で絡みにくくなり、倒木の原因に繋がります
解決策は水はけの良い土壌造りになります。水溜まりが日頃できるようならばエアレーションなどをして水はけをよくしていきます。
追記:2020年10月10日
他にも台風の記事を書かせて頂いてましたが、見やすくするために一つにまとめました。
2018年の台風では雨が数日続き、しっかりと根付いた樹木でも倒木が起こりました。
お客様のご自宅では除草剤を樹木の近くに散布していました。草の枯れ方からお客様に尋ねたところ樹木の周りにも散布していて樹木の根が弱ったことが考えられました。
2019年の台風では樹木を植えている桝が小さく木の大きさと比例していない樹木が倒木していました。
沼山造園への問い合わせの中でこの種類の樹木がよく倒木被害にあいます
コニファーの木やマキの木、オリーブ、ミモザ、サワラなど針葉樹が特に多いです。
針葉樹でご自宅に植えられているものは根がやや浅い樹木が多く植えられたばかりの木は根を張るまでに数年かかります。
ですのでどんな形でも支柱を設置しておかないと倒木の危険性が倍増します。
追記:2018年の台風24号でご連絡がきた倒木状況
6mほどのモチの木が台風で倒れた。家のシンボルツリーが倒れた。オリーブがウッドデッキに横たわってる。コニファーが3本共フェンスに寄りかかってしまった等など、世田谷区だけでなく目黒区、川崎市などからもご連絡を頂き対処することになりました。
2021年度に追記です。カイズカイブキも暴風雨で倒れていました。
針葉樹の一種なので今まで倒れたカイズカイブキを見たことないのが不思議なくらいでしたが根が深く、潮風などにも耐性があるので風に強い方なのかもしれません。
倒木対処法方法
倒木の状況も様々で、完全に倒れてしまった。倒れかけていて応急処置としてヒモで結んでいる、塀によしかかっているなどがあるかと思います。
倒木の現状でどうすればいいかわからないと思いますのでご説明します。
どの状況にも言えることは早急に対処した方が良いということです。理由としては次の通りです。
- 倒木の被害に続き2次被害が起こる
- 倒木した瞬間に木が死んでいるわけではないので樹木の復旧が可能性がある
倒木後の2次被害
木はその重みから色々なものを巻き込んで倒れます。その時に次のような2次被害に見舞われます。
- 倒木だけでも手に負えないのに自宅に穴が空いた。
- 車がつぶれた。
- 電線に引っかかったという2次被害が起こります。
- 倒木の樹木が人にぶつかる
台風が通過してるときに出歩く人も減るので本当に稀ですが、ご自宅の枝が頭の上に落ちてきたという被害を川崎市であったことがあります。
このような被害、身内にも他人にも本当にあってほしくないですね。
倒木した木の復旧の可能性
今まで蓄えていた水分を樹木は少しずつ消費しています。この蓄えていた水は日にちが経てば経つほどなくなるので枯れてしまう可能性が高くなります。
ですので復旧をし、木を立て直すのであれば早急に対応した方が枯れる確率を抑えることができます。
倒木した樹木の対処方法をご紹介します。
- 樹木を立て直し支柱で固定し復旧する
- チェーンソーやノコギリなどで切りきざみ木を伐採する
自分で対処できそうであれば絶対に怪我のないようにしてください。雨が降ったあとに倒木が多いので地面がぬかるんでることが多いです。通常より怪我しやすい状態になっています。
また、危なそう、自分で判断できない場合は復旧に関しては植木屋さんにご連絡してみましょう。倒木した木を無くしてもいいとお考えの方は植木屋さん、または伐採専門に特化した伐採専門の会社にお問合せしましょう。
そしてあなたが倒木被害にあっているときは他の方も同じような状態になっていることが多いです。連絡した業者さんがすぐに対応できないことがあります。なるべく早くお問合せすることをオススメ致します。
倒れた、倒れそうな樹木を起こし復旧する作業の流れと実際の作業例
倒木の復旧方法について詳しくご説明します。
倒れた、倒れそうな樹木の復旧作業手順は次の通りです。
- 根にダメージがあるので剪定をし枝葉少なくして木の負担を減らす
- クレーン車や機械、人力で倒れた樹木を起こす
- 支柱を設置
- 土の中を固める
- 水をあげる
植木屋である沼山造園で行った倒木復旧の時の動画が下記のような作業になります。
オリーブが根からもちあがり倒れています。
根と枝葉はつながっているので剪定して木の負担を減らします。剪定をすることで木に重さも軽くなり一石二鳥です。
次に木を起こします。
人力でできれば人力で作業をします、人力で起き上がらないような木はクレーン車を使用し木を起こしていきます。動画のオリーブは高さ3mほどで幹も細いのでこれくらいでしたら人力で可能です。
次に必要な数だけの支柱を地面に刺しヒモと植木を結び固定し倒れないようにします。簡単に根は伸びませんので支柱の期間は2年は確実に必要です。
根が露出しているので地面のぬかるみを踏み固めます。
最後に、復旧で一番大事な作業ですが木はダメージを負っていて、水が足りていないことが多いので最後にお水をあげましょう。支柱で固定しているので木は倒れません。これで倒れた場合、支柱の方法に問題があります。
復旧の費用
木の大きさによりますが復旧する場合の費用は人力かクレーン車を使うかで大きく変わります。
費用としてかかるであろう項目をあげます。
- 木の剪定代
- 剪定で出た植木ゴミ処分運搬費
- 木を立て直す作業費
- 車代
- クレーンの運転手代
- 支柱材料費
- 支柱設置費
クレーンを使う場合は木の大きさによりますがクレーン代でだいたい11万円から22万円(税込)は確実にかかると思います。運転手代は借りてくる会社によってことなります。
作業時にクレーン代や車代はかからないなどの記載があるところは本当にお金を取っていないか、立て直す費用に含まれていることがあります。
動画のオリーブ復旧費は以下の通りです。
- 倒木復旧費:13200円
- 支柱設置費:3850円
- 支柱材料費代:4950円
- ゴミ処分運搬費3300円
- 土壌改良費9300円
合計34,600円になりました。
倒木した木を伐採する作業の流れと実際の作業例
木を無くしてしまうと決定した場合、ご自身でやるのであれば怪我をしないようにしましょう。植木は急に回転したり、思ってもいない方向にずれたり、枝が地面に跳ね怪我の原因になります。
倒れた、倒れそうな樹木の伐採作業手順は次の通りです。
- どこにも接触していない枝を払っていく
- 接触部分の幹や枝をカット
- 幹を細かく切る
- 根を掘り起こす
- 掘り起こした穴を埋めていく
下の動画は倒木したので伐採してほしいと沼山造園にご依頼があった時の高さ6mほどの樹木の伐採作業になります。
動画のように負荷がかかっている以外の場所をカットしていき、木の重さを軽くします。
木の重さは相当なものです。足に幹が落ちたりすると簡単に骨折しますので気を付けながら次に負荷のかかっている幹や枝をカットしていきます。
ここで注意すべきなのは切ったあと、どうような動きで幹や枝が倒れるのか判断できなければ絶対に自分でやらないでください。
普段からきちんと管理している植木が自然災害による倒木の被害にあっても損害賠償に問われることはあまり聞いたことがありませんが、対処をご自身でやったうえで事故を起こした場合、責任は作業者にあります。
判断できない時は業者さんを呼びましょう。
壁や他の木などに接触しているところが無くなり次第、幹を細かく切りましょう。
太くなれば太くなるほどノコギリなどでは刃が立たないのでチェンソーが必要になります。
細かく切り終えたあとは根を掘り起こしましょう。地面から乱雑に飛びてた根は怪我のもとです。スコップなどで掘れない場合はユンボとよばれる重機が必要になります。
そして穴を掘り終えた箇所は根を取り除いた分の穴があきますので、土を入れましょう。
伐採の費用
こちらも木の大きさ、危険度によりますが伐採する場合の費用も人力かクレーン車を使うかで大きく変わります。
費用としてかかるであろう項目をあげます。
- 木の伐採代
- 伐採で出た植木ゴミ処分運搬費
- 車代
- クレーンの運転手代
動画の木に寄りかかっていた高さ5mのモチの木の伐採費は以下の通りです。
- 伐採費:20,500円
- ゴミ処分運搬費3300円
合計23,800円になりました。
倒木を起こさない為に
一通り見て頂いたと思いますが、倒木対処は大変な作業だと思います。
倒木を起こさないための剪定や支柱、日頃のお手入れががあります。下のボタンは倒木が起こらない為に小さくしたゴールドクレストの剪定になります。興味のある方は是非ご覧ください。
まとめ
倒木の被害にあったら早急にの対処方法を決めましょう。復旧したいか伐採してしまうか。決定したら自分でできなければ業者さんにまず連絡することです。
沼山造園は世田谷区にある植木屋で、倒木の対処を何度もやっています。どちらの対処にもご対応できます。世田谷区以外の大田区、目黒区、品川区、神奈川県川崎市は頻繁に伺っていますので早急なご対応が可能です。
突然起こった倒木という状況にどうしていいかわからない、助言が欲しい方、お電話頂ければ少しばかりかお助けできるかもしれません。手遅れになる前にご連絡ください。