代表挨拶
はじめまして、まずは自己紹介をさせて頂きます。
沼山造園代表、沼山幸生(ヌマヤマ コウキ)です。東京都世田谷区梅ヶ丘に事務所を構え、「庭木を残し、想いを残す」を目標に、お客様のお庭を末永くより良い姿で保つお手伝いをしています。
この目標は庭木が健康的な状態を維持することはが必要不可欠であると考えています。
そのためには、樹種や季節、木の健康状態に応じてお手入れ方法を変える専門的な知識が求められます。

自分語りになりますが、私が植木屋として独立するまでの経緯を少しお話しさせてください。
私は1990年に北海道の港町で生まれました。
生まれながらにして自然豊かな大地で育ち、
大学3年生の時に緑に囲まれた仕事がしたいと思い、寒いのが苦手ということと、東京への憧れを持ち、
大学卒業後に東京都の大田区にある造園会社に修行する為に上京しました。
就職した大田区の造園屋さんは、個人邸のお庭のお手入れ、庭造り、
公共事業、財団法人植木の管理、
皆さんが知っているところですと皇居や新宿御苑、羽田空港などの植栽を管理していた
約40名ほどの造園工が集まった会社で、今思えばとても人数が多く、凄い会社だったと思います。
修行の間、親方の手元を見て仕事のやり方を学んでいました。
外仕事で、体力が尽き、帰宅し布団と会社の往復になっていて、
最初にあった緑に囲まれた仕事したいという気持ちがどんどん薄れていき
「やりがい」が無くなっていくのを覚えています。
なんで植木屋さんをやっているんだろうと思っていたとき、
作業で来ていたマンションの1階に洋服屋さんがあり、
そこで働く女性に話をかけて頂きました。
「あなた植木屋さん?」と、
作業の間だったこともあって、あまり話しを聞く余裕が無かったんですが、
「私の家の松を見てくれない?」と言われました。
まだ植木を切ったこともなく、
ましてや松の木という最上級に難しい植木を見てほしいと言われたので、
すぐに応えができずお仕事が終わったら一度来ます!と言い、作業に戻りました。
休憩時間に親方に相談したところ、
僕に話をかけてきた時点で僕を選んだんだと言われました。
お客さんが望んでることをまずは聞いて自分が今持ってる実力を伝えてそれでもいいというなら
全力でやってきなと言われました。
お仕事が終わった後に親方に少し待ってもらい、
その女性がここにいるからと言っていたお店に行き、木も切ったことが無い、本当に何もできないことを伝えました。
ですが、それでも自宅の元気がない松を見てみてほしいと言われました。
連絡先と住所を聞き、休みの日の日曜日にお伺いしました。
車もないので1時間ほどかけて電車で向かい、ご自宅はマンションの一番上の屋上階、
こんな大きなマンションの屋上に植木があるのかな?
騙されたかな?なんて考えてエレベーターに乗り、
家の中を通りテラスに案内されました。
テラスを見ると屋上にあるとは思えない
僕の背丈を軽く超える松が植えてありました。
そして当日はご主人が対応してくださり、お話を聞くことになりました。
松が最近、元気がないように見えてて、以前はもっと緑みどりしてたのに、
今は葉が黄色くなったり黒い点が見える。
伸びてくる葉っぱの勢いもない感じがするといったことをお伺いし、
解決策を持っていない私はその日は何も作業をせず、そのお悩みを持ち帰り、
親方や会社にあった樹木の図鑑を調べました。
いくつかの原因がわかったので電話でお伝えし、
後日お伺いし対処して松のお手入れをすることになりました。
正直、松のお手入れは本当に酷いものだったと思います。
剪定したのかわからない程でした。
※松の悪化は根の状態異常とそれに伴う病気が原因で、数年にかけて対処しました。
対処した日は話しかけて頂いた奥さんもいたので、
一番気になっていた、なぜ僕に頼んだのか?を聞いてみました。
奥さんの話はこうでした。
「いつも来てくれている植木屋さんがいたけど、なかなかの職人肌で込み入った話がしにくい」
「見るからに松が元気がないのに植木に関して何もお話しをしてこない」
「大事にしてる松について誰かに相談したかった」
そこでたまたま見かけたぼくが
【話しかけやすかった】
と僕にとっては意外な答えでした。
そして帰り際に【ありがとうございます】と言われました。
帰りの電車で感謝の言葉と、この数日の出来事が心にストンっと入ってきたのを覚えています。
ここからです。
僕の植木屋として庭木、お客様に対する気持ちが、ここで変わったんだと思います。
【お庭や庭木に悩みがある方の為に働きたい】と。これが新しいやりがいになったんだと思います。
こうなると普段のお仕事の見え方が変わりました。が、会社では新米も新米。
なかなかお客様の要望を聞き、何故この依頼をして頂いたのか、
という所までお話することができなく、
何を望んでいるのか、なんで剪定したいんだろうか、
どんな事で悩んでいるかわからなく、お客様の悩みが解決できているのか?
とお客様との距離を縮めることができませんでした。
思い切って修行していた会社の方針もあるので辞職し、
独立を決意、個人事業主として沼山造園を開業。
もちろんお客さんはマンションの方しかいませんから独立後、
1年半程はお庭の定期管理サービスを主体にしている企業で働きながら
160件程のお客様のお庭に関する悩み、ご不満などを聞き、お客様の声を集めました。
そして悩みを持った人がこのホームページに来て解決できればと思い記事を少しずつ書きました。
平成29年度に神奈川県から移転し世田谷区の個人邸のお庭のお手入れを中心にお悩みを解決しながらお手入れをしてきました。
今ではお庭に対して思い入れがあり、こんな大切な気持ちを持った人の為に
沼山造園としてのお仕事がしたい。そう思っています。
長くなってしまいましたが、沼山造園ではこんなお庭を大切にしている
お客様からのご依頼が多いです。本当に感謝しています。
お手入れはもちろんきちんとやっています。やれないことははっきりとお断りしています。
僕にも得手不得手がありますので、沼山造園としてできないことは仲間の植木屋さんをご紹介したりしています。
長くなりましたがここまで読んで頂きありがとうございます。