シマトネリコは、風にゆれる繊細な葉が魅力の常緑樹です。成長が早く、涼しげな印象があることから、シンボルツリーとして人気があります。見た目にやさしく、和洋どちらの庭にもなじみやすい木ですね。
ただし、生長が旺盛なため剪定のタイミングや管理の仕方に少し工夫が必要です。ここでは、シマトネリコを元気に育てるための基本をご紹介します。
目次
シマトネリコの特徴

- 分類:モクセイ科トネリコ属
- 樹形:自然樹形(株立ちが多い)
- 樹高:放任すると10m以上にもなりますが、一般家庭では3〜5mで管理するのが一般的
- 葉の特徴:小さな複葉が密につき、やわらかく風にそよぎます
- 開花時期:6月ごろに小さな白い花が咲きます
育てやすい環境
日当たりと風通し
- 日向〜半日陰を好みます。直射日光にも耐えますが、乾燥が強すぎると葉焼けすることもあるので注意。
- 風通しの良い場所に植えると、病害虫の予防にもなります。
土壌
- 水はけがよく、有機質を含んだ土が適しています。
- 粘土質の場合は腐葉土や堆肥などをすき込んで、土壌改良をしてあげると安心です。
シマトネリコは丈夫で育てやすく、シンボルツリーとしても人気の高い常緑樹です。植え方のポイントを押さえておくことで、元気に根づかせることができます。
シマトネリコの植え方
1. 植え付け時期
3月〜4月または9月〜10月が理想です。
この時期は気温が穏やかで、根が活着しやすいのでおすすめです。真夏や真冬は避けるようにしましょう。
2. 植える場所の選び方
- 日当たりがよく、風通しの良い場所が理想です。
- 半日陰にもある程度耐えますが、成長はややゆっくりになります。
- 地植えにする場合はスペースに余裕を持たせるのがポイントです。シマトネリコは成長が早く、最終的には5〜10mほどの高さになることもあります。
3. 土壌の準備
- 水はけの良い土を好みます。
- 地面が粘土質など水はけの悪い場合は、腐葉土や堆肥、軽石などを混ぜて改良しておくとよいでしょう。
4. 植え穴の掘り方
- 根鉢より**ひと回り大きな穴(幅・深さともに1.5倍ほど)**を掘ります。
- 掘った穴の底には腐葉土や元肥(緩効性肥料)を少し混ぜておくと、根張りがよくなります。
5. 植え付け
- 苗木の根鉢を崩さずに穴に置きます。
- 地面の高さと根元がほぼ同じ高さになるように調整して植えます。深植えはNGです。
- 周囲に土を戻しながら、軽く踏み固めてぐらつかないようにします。
6. 支柱の設置
- 風の影響を受けやすいため、若木のうちは支柱を立ててしっかり固定してあげましょう。
- 支柱は1〜2年ほどで外して構いません。
7. 水やり
- 植え付け直後はたっぷりと水やりをします。
- 活着するまでは、乾いたら水を与えるようにし、根付いた後は自然の雨でほぼ大丈夫です。
水やり方法
地植えの場合
- 根付くまでは1日1回〜2日に1回の水やりが必要です(特に夏場)。
- 根付いたあとは、自然の雨だけでも十分育ちます。
鉢植えの場合
- 表土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。夏場は朝夕2回必要になることもあります。
肥料
- 冬の寒さが和らぐ2月〜3月頃に緩効性肥料を施すと、春からの成長がスムーズになります。
- 追肥として、6月〜7月にも軽く有機肥料を与えるのもおすすめです。
剪定のタイミングとポイント
シマトネリコは成長が早く、自然に樹形が乱れやすいので、定期的な剪定が大切です。
- 適期は春(4月〜5月)と秋(10月頃)です。
- 混み合っている枝や、徒長した枝を間引くように剪定すると、風通しも良くなり見た目もスッキリします。
- **切り戻し剪定(高さを調整する)**もできますが、強剪定は避け、少しずつ整えるのがコツです。
病害虫
- 比較的病害虫に強いですが、アブラムシやカイガラムシが発生することがあります。
- 見つけたら早めに取り除くか、必要に応じて薬剤を使用しましょう。
シマトネリコのある暮らし
シマトネリコは目隠しにもなりつつ、やさしい光と風を通してくれる木です。成長が早いため、緑が欲しい場所にすぐ彩りを与えてくれる頼もしい存在です。
ただ、放っておくとかなり大きくなりますので、計画的な植栽場所の選定と定期的な剪定が大切です。お手入れの手間もありますが、その分、育てる楽しみも大きな木ですよ。