ラカンマキの植え方や育て方、剪定についてご紹介

こんにちは。世田谷の植木屋、沼山造園の沼山です。

今回はラカンマキの植え方や育て方、剪定とお手入れについてのまとめについて書いていきます。

ラカンマキとは

ラカンマキというのは、日本の伝統的な庭園樹木の一つで、漢字の「羅漢槙」は、この木の幹の表面に見られる筋模様が、仏教の羅漢の衣の線模様に似ていることから名付けられました。

ラカンマキはマキ科マキ属に属する常緑樹で、原産は中国と言われ、主に日本や中国南部、台湾、東南アジアに自生しています。

ラカンマキの基本情報は以下の通りです。

• 学名：Podocarpus macrophyllus var.
• 英名：Fastigiate yew pine
• 科属：マキ科マキ属
• タイプ：高木/常緑樹
• 樹形：幹立ち
• 樹高：５ｍ～０ｍ
• 開花期: 4~5月
• 結実期：5～6月

ラカンマキの特徴

ラカンマキは他のマキの名前が含まれるイヌマキ、コウヤマキに比べて大きく違う特徴は葉の形状と大きさがが異なります。

ラカンマキは、高さが10メートルほどになり、幹が太く、枝が広がりやすい樹形をしています。緑色の針葉樹で、葉先が丸みを帯びています。葉の密生度が高く、茂った緑が美しい点が特徴です。また、鉢植えにすることもでき、ミニチュアの庭園や盆栽にもよく用いられます。

実際に庭園やお庭の景観を美しく彩る重要な役目を担っています。

また、ラカンマキの萌芽力はイヌマキに比べても高く、より形を変化させることに長けています。人工風仕上げにお手入れを行うことが多く、これらを仕立てると言います。仕立てた植物は仕立物と言われ、ラカンマキは球体をたくさん造るタマチラシという仕立て方をすることが多いです。仕立てものについてはコチラをご覧ください。

ラカンマキの花

ラカンマキには花がありますが、あまり目立たない小さなものです。ラカンマキは春に黄緑色の小さな花を咲かせますが、花弁はなく、花序の中に雄花と雌花が混じって咲きます。花が終わると、実をつけます。果実は赤く熟すと食べられるものもありますが、一部には食べると毒性があるものもあるため、注意が必要です。

ラカンマキの実

ラカンマキは実をつけます。果実は赤く熟すと食べられるものもありますが、一部には食べると毒性があるものもあるため、注意が必要です。また、果実には種子が含まれており、これを種から育てることもできます。ただし、種子から育てる場合は、発芽までに時間がかかる場合があり、苗木に育てる場合も、時間がかかるため根気が必要です。

ラカンマキの品種

イヌマキの品種にラカンマキがあります。他にも名前にマキがつくコウヤマキというものもあります。

ラカンマキは葉がイヌマキの半分くらいの長さ、大きさになり成長が遅いです。成長が遅いため、庭園などに植栽されることが多いです。

コウヤマキは品種が違うというより属性自体も変わりイヌマキはマキ属マキ科に属してますが、コウヤマキはコウヤマキ属コウヤマキ科に属しています。

ラカンマキの植え方（植栽）

ラカンマキの植え方は次の通りです。

1. 植える場所の確認
2. 穴を掘る
3. 水をやる
4. 支柱を立てる

ラカンマキを植える手順について、詳しく説明します。

ラカンマキを植える場所の確認

ラカンマキを植える場所は、日当たりがよく風通しが良い場所が適しています。またラカンマキが良く育つ箇所は湿度が高い所になります。

穴を掘る

ラカンマキは根が広がりやすいです。根が広がりやすいため、幅広く深めに穴を掘りラカンマキの根を入れ、土を加えながら、根元周りを軽く叩いて固定します。

水をあげる

ラカンマキを植えたら、たっぷりと水を与えます。十分な水を与えることで、しっかりと根を張ることができます。また、乾燥する季節には、マルチング材などで土壌の表面を覆うと効果的です。

支柱を立てる

1m以上のラカンマキの場合、植えた直後に支柱を立てる必要があります。針葉樹は葉が重いため、樹木が風で倒れたり、倒木になったりしないようにするためのものです。支柱を立てる際には、樹木に傷をつけないように注意してください。

ラカンマキの植える時の注意点

ラカンマキが元気に育つための植え方は次の3つに気を付けなければいけません。

• 強風、日差し
• 土壌改良
• 芳香

強風、日差し

ラカンマキは強い風が吹く箇所、日差しが強いところでは育ちにくいので風除けや日よけを行う必要になります。

土壌改良

ラカンマキは、肥沃で排水の良い土壌を好みます。

芳香

羅漢槙の木の香りを持つため、アレルギー体質の人や嗅覚過敏症の人は注意が必要です。

植木を枯らさずに植える方法はコチラ

基本的な植木を枯らさずに植える方法は下記のボタンより別ページに記載しておりますので気になる方はご覧ください。

ラカンマキの価格

ラカンマキ高価なものから低価格なものまで幅広いです。

仕立てていないラカンマキの材料費（購入価格）は木の高さが1メートルまでなら5,000～20,000円程度。 2メートルまでなら20,000～60,000円程度。3メートルまでなら60,000～100,000円程度が目安となります。

仕立物だと10万円を超えるラカンマキもあります。

植木は季節もので、同じ形のものはありません。お値段の変動が激しいので植えたい方は必ず御見積後のご案内になります。

ラカンマキを植える料金

ラカンマキを植える料金は木の高さが1メートルまでなら10,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら2,0000円程度。3メートルなら30,000円程度が目安となります。

ラカンマキの育て方

ラカンマキの育て方は剪定や刈込など手入れ方法を変えたり、肥料、水やりなど、知識が必要です。

剪定

ラカンマキは、強い萌芽力を持つ樹種の一つです。定期的に剪定を行うことで、美しい形を保つことができます。剪定は、剪定の際には、この特徴を生かした自然な形を保ちつつ、枝を切り揃えます。剪定する枝は、太くて健康なものを選び、枝元から45度の角度で切断します。また、切り口には、傷口用の剪定剤を塗ることが望ましいです。

長い枝は、樹形が乱れバランスを崩す原因になります。短く切り詰めることで、マキが整います。

ラカンマキの剪定では、特に内部の枝を剪定することが重要です。内部の枝は日光が当たりにくく、風通しが悪くなりやすいため、病害虫の発生源となります。内部の枝を剪定することで、枝間の空間を確保し、日光や風を取り込むことができます。

剪定後に生えてきた新しい枝は、長く伸びてしまうことがあります。この場合は、補助剪定を行って枝の長さを調整します。また、枝の分岐が弱い場合は、枝元から2-3cm程度残して切り揃えることで、分岐を促すことができます。

以上のように、羅漢槙の剪定は、春と秋に内部の枝を重点的に剪定することで、健康な成長を促します。適切な剪定を行い、美しい形を保った羅漢槙を育てましょう。

刈込

ラカンマキは成長が早いため、年に1回から2回程度の刈り込みが必要です。ただし、刈込過多になると、新芽が出にくくなり、根を張る力が弱まるため、様子をみて刈り込むようにしましょう。

刈り込みでは、特に表面の枝を刈り込むことになります。表面の枝は、日光が当たりやすく、風通しが良いため、刈り込むことで樹形を整えることができます。ただし、内部の枝や側面の枝は、剪定で行うことが望ましいです。

刈り込み量は、年齢や状態によって異なりますが、一般的に球になっている部分を1/3程度を目安に刈り込みます。ただし、刈り込む量は上部が一番多く、下部に行くにつれて少しずつ刈込量を減らしていく調整しが必要です。

以上のように、ラカンマキの刈り込みは、春と秋に表面の枝を中心に、適度な量を調整して行うことが重要です。適切な刈り込みを行い、美しい形を保ちながら育てましょう。

ラカンマキのお手入れのコツ

ラカンマキのお手入れのコツはは通常は刈込を行い2～3年に1度ハサミやノコギリを使い、切り戻し剪定を行います。刈込のお手入れを続けると切り口付近の枝が太くなり徐々に木がおおきくなってしまいます。この対処として切り戻し剪定を行います。

植木を枯らさずに剪定する方法

庭木の基本的な剪定方法と枯らさずに剪定する方法は下記のボタンをクリックしてお読みください。

肥料

ラカンマキには、成長期、休眠期、開花期の3つの時期に肥料を与えることが望ましいです。以下に、それぞれの時期に適した肥料を紹介します。

1. 成長期（4月～9月）：成長期には、窒素、リン、カリウムなどの栄養素が必要です。窒素は葉や茎の成長に、リンは根の発育に、カリウムは花や実をつけるためのエネルギー源になります。成長期には、化成肥料を土壌にまき、水やりをすることで根元から栄養を吸収させます。
2. 休眠期（10月～3月）：休眠期には、肥料は与えない方が良いです。ラカンマキは、冬季には成長が停止し、栄養分を貯蔵するために、肥料を与えると逆に樹勢を弱めることになります。
3. 開花期（5月～6月）：ラカンマキは、開花期に花を咲かせます。花を豊富に咲かせるためには、リンとカリウムを多く含む肥料が適しています。有機肥料を土壌に散布するか、リン酸カリウム肥料を与えると良いでしょう。

なお、肥料は与えすぎないように注意しましょう。過剰な肥料は、根の発育を阻害し、逆に樹勢を弱める原因になります。また、肥料を与える前には、土壌の状態を確認し、必要ならば土壌改良を行うことが大切です。

水やり

ラカンマキは水分を好む植物ですので、十分な水やりを心掛けましょう。水やりの際には、根元に直接水をかけるのではなく、まんべんなく水を与え、水分が根に浸透するようにします。

ラカンマキの水やりは、植え付け直後や夏場の乾燥期などに特に注意が必要です。以下に、ラカンマキの水やりについてのポイントをまとめます。

1. 水やりのタイミング：ラカンマキは、乾燥に弱い樹木なので、土壌表面が乾いてから水やりを行います。また、水やりは朝晩が良いとされています。昼間に水をやると、太陽光による蒸発が早まって水分が奪われてしまうためです。
2. 水やりの量：ラカンマキに必要な水の量は、気温や湿度、降水量などによって異なりますが、一般的には週に1回程度、たっぷりと水を与えるようにします。水やりの際には、根元から徐々に水を注ぎ、土壌に浸透するまでゆっくりと行いましょう。ただし、水をたくさんやりすぎると、根腐れの原因になるので注意が必要です。
3. 土壌の保水性を高める：ラカンマキを植える前に、土壌改良を行い、保水性を高めておくと、水やりの回数や量を減らすことができます。例えば、腐葉土やバークチップなどを混ぜて土壌を改良すると良いでしょう。
4. 夏場の注意点：夏場は気温が高く、水分が蒸発しやすいため、水やりに特に注意が必要です。特に直射日光が当たる場所に植えた場合は、風通しを良くし、日陰を作って熱中症や乾燥を防ぐようにしましょう。

以上のように、ラカンマキの水やりは、乾燥に弱い樹木なので、適切なタイミングと量を守り、土壌の保水性を高める工夫をすることが大切です。

ラカンマキの剪定料金

ラカンマキの剪定料金は木の高さが1メートルまでなら3,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら5,000円程度。3メートルなら8,000円程度が目安となります。

ラカンマキの仕立物の剪定料金

ラカンマキの仕立物の剪定料金は木の高さが1メートルまでなら5,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら7,000円程度。3メートルなら10,000円程度が目安となります。

ラカンマキの刈込料金

ラカンマキの刈込料金は木の高さが1メートルまでなら2,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら4,000円程度。3メートルなら7,000円程度が目安となります。

ラカンマキの仕立物の刈込料金

ラカンマキの仕立物の刈込料金は木の高さが1メートルまでなら4,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら6,000円程度。3メートルなら9,000円程度が目安となります。

ラカンマキの剪定・刈込時期

ラカンマキの剪定時期は、原則として冬から春に行うことが望ましいです。

具体的には、3～4月頃が最適な時期です。この時期に剪定を行うことで、新芽が春に出てきた際に均等に成長するようになり、木全体のバランスが良くなります。ですので新芽が出る前に行いましょう。

また冬季に剪定を行う場合でも、霜が降りる前に行うことが大切です。

夏の暑い時期にラカンマキを剪定すると、樹液が流れ出ることがあります。この状態は、ラカンマキが生きていくために必要な水分や養分が失われてしまうことを意味します。また、樹液が出ると、それに伴って栄養分も流れ出してしまい、樹木が栄養不足になる可能性があります。さらに、剪定時に傷ついた枝や幹から病気や害虫が侵入することもあります。そのため、夏の暑い時期に剪定を行うと、ラカンマキの生育に悪影響を及ぼす可能性があります。適切な時期に適切な方法で剪定を行うことが、ラカンマキの健康な成長に必要なことです。

【まとめ】ラカンマキの適切な育て方

ラカンマキの育て方は以下のようにまとめられます。

• 日当たり：日当たりの良い場所に植えます。
• 土壌：排水性が良く、肥沃な土壌を使用します。
• 水やり：適度な水やりを行い、乾燥に注意します。
• 剪定：春と秋に適度な剪定を行い、樹形を整えます。
• 肥料：成長期には適切な肥料を与えます。
• 病害虫対策：病害虫に注意し、早期発見・対処を行います。

ラカンマキの植え方や剪定や肥料の管理も適切に行うことが肝心。また、冬期には凍結に注意し、保護を行うことで、樹木を健康に保つことができます。

この記事を読んで、ちょっと自分でラカンマキの植栽や剪定をできそうにないと思われた方は、植木屋に相談することがおすすめです。

この記事を書いた世田谷区にある沼山造園では、刈込・剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。