こんにちは。世田谷区の植木屋、沼山造園の沼山です。
今回はジンチョウゲの植え方や育て方、剪定とお手入れについてのまとめについて書いていきます。
ジンチョウゲとは
三大香木(さんだいこうぼく)の一つでもある春に花が咲くジンチョウゲ(沈丁花)は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属に属する常緑低木で、強健な性質を持っており、病気にかかりにくいため、初心者でも比較的簡単に育てることができます。
ジンチョウゲの基本情報は以下の通りです。
- 学名:Daphne odora
- 英名:winter daphne
- 科属:ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
- タイプ:低木/常緑樹
- 樹形:幹立ち
- 樹高:2〜3m
- 開花期: 3~4月
- 結実期:不明
ジンチョウゲの特徴
春に美しい芳香のある花を咲かせることで有名で、多くの園芸愛好家に親しまれています。ジンチョウゲの花は、赤、ピンク、白、紫など様々な色を持ち、その香りは非常に強く、遠くからでも感じられます。ジンチョウゲは、樹高が2〜3m程度の小さな木で、葉は暗緑色で楕円形をしています。
ジンチョウゲの植え方(植栽)
ジンチョウゲを植える時は最大限の注意を払う必要があります。ジンチョウゲの根は、 水を吸収する細根が成長しにくいこと、手でも千切れるくらいとても柔らかく傷つきやすいため、植栽や移植を嫌います。
植え替える必要がない場所を選び最新の注意で植えましょう。
また、ポット苗で栽培されているものは根がまとまっていて比較的植えやすいです、
植木屋として恥ずかしいですが、正直に申し上げるとジンチョウゲの植栽は枯れてしまう可能性が高いのでお断りをお願いしたいくらいの代物です。
ジンチョウゲの植え方は次の通りです。
- 植える場所の準備
- 穴を掘る
- 根は触らない
- 水をやる
- 支柱を立てる
樹木を植える手順について、詳しく説明します。
植える場所の準備
ジンチョウゲを植える場所には、土壌は穴を掘れるような箇所なのか支障物がないのか、ジンチョウゲの自体が入る空間があるのか、細心の注意を払い万全で挑みます。
穴を掘る
植えるジンチョウゲの根が収まる深さと同じ深さの穴を掘ります。ジンチョウゲの根が浅いと、風で倒れたり、水が吸収できなくないことがあります。
根は触らない
ジンチョウゲを植える時は、根を触らないようにしましょう。鉢からジンチョウゲを取り出してすぐに掘った穴に丁寧にいれます。からみあった根があっても触ってはいけません。根が傷つかないように注意しながら作業を行いましょう。
水をあげる
ジンチョウゲを植えたら、水を与えます。
支柱を立てる
ジンチョウゲは根が柔らかく基本的に自立しているときも不安定でぐらぐらしやすいので支柱をしてあげましょう。
支柱をする際は支柱が根に干渉しない箇所にさして根を傷つけないようにしましょう。
植えるジンチョウゲの高さや根の強さによって支柱の方法が変わるので、支柱の方法がわからない方は下記のボタンから支柱設置方法をご覧ください。
ジンチョウゲの植える時の注意点
ジンチョウゲの元気に育つための植え方は次の3つに気を付けなければいけません。
- 日当たりと風通し
- 土壌改良
- 植える時期
日当たりと風通し
ジンチョウゲは、十分な日当たりと風通しの良い場所が適しています。日当たりが不十分だと、寒風にあたると花や葉が傷みやすいため、遮風のある場所に植えることをおすすめします。
また西日には弱いので西日が当たらないところに植えてあげましょう。
土壌改良
ジンチョウゲは、保水性の高く排水性の良い土壌を好みます。水はけが悪い土壌だと、根腐れなどの原因となるので、土壌改良をするなどして、水はけの良い土壌に植えるようにしましょう。
pHが5.5〜7.5の中性~やや酸性の土壌が適しています。強酸性の土壌は避け、土壌改良を行うことが必要です。
植える時期
ジンチョウゲは一般的に、秋から冬にかけての植え付けが適しています。特に、11月から2月の間が最適な時期とされています。ただし、地域や気候によっては、春先に植え付けることもできます。春先に植える場合は、5月ごろまでに植え付けを行うことが望ましいです。
植木を枯らさずに植える方法はコチラ
基本的な植木を枯らさずに植える方法は下記のボタンより別ページに記載しておりますので気になる方はご覧ください。
ジンチョウゲの価格
ジンチョウゲを購入する時の価格は木の高さが50cmまでなら3,000~5,000円、50㎝から1メートルまでなら5,000~10,000円が目安となります。
植木は季節もので、同じ形のものはありません。お値段の変動が激しいので植えたい方は必ず御見積後のご案内になります。
ジンチョウゲを植える料金
ジンチョウゲの植える料金は木の高さが1.5メートルまでなら10,000円程度が目安となります。
ジンチョウゲの育て方
ジンチョウゲの育て方は肥料、水やり、病気や害虫、剪定時期に合せた剪定方法など、花をさくためにはひと手間がかかせません。
肥料
ジンチョウゲの肥料としては、緩効性の有機肥料や、バランスの良いNPK成分を含む化成肥料を使用することが一般的です。
春と秋の芽吹き前に、緩効性の肥料を与えると良いでしょう。特に、窒素成分は過剰に与えると、茎や葉が伸び過ぎて花つきが悪くなることがあるため、注意が必要です。また、過剰な施肥は、花がつぼみのまま落ちてしまう原因になることもあるため、適度な施肥が大切です。
なお、有機肥料としては、腐葉土や堆肥などが一般的に使われます。化成肥料については、NPK成分がバランスよく含まれているものを選び、施肥量は袋に記載された指示に従って適切に行うようにしてください。
水やり
ジンチョウゲは、比較的乾燥に強い植物ですが、適切な水やりを行うことで、健康的な成長や花付きを促すことができます。以下は、ジンチョウゲの水やりに関する基本的なポイントです。
- 植えてから1週間程度は、毎日たっぷりと水を与えます。その後は、土の表面が乾いてから水を与えるようにします。
- 夏場や乾燥期には、土が完全に乾いてしまわないよう、週に1~2回程度水やりを行います。特に、花がつぼみをつける時期や開花期には、乾燥に弱いため、こまめな水やりが必要です。
- 水やりの際には、水を根元にたっぷりと与えます。ただし、水はけの悪い土壌で水を与えすぎると、根腐れなどの原因になることがあるため、土が完全に乾いてから水を与えるようにします。
- 冬期は、水やりを控えめにします。ジンチョウゲは休眠期に入るため、土が完全に乾燥してから水を与える程度で十分です。
病気や害虫
ジンチョウゲの病気は以下のものがあげられます。
- 葉枯病(はぐろ葉枯れ病):葉の先端や縁が黄化し、次第に枯れていく病気です。主に夏季に発生し、高温多湿な環境が原因とされています。予防として、適切な剪定や風通しの良い場所での栽培、定期的な病害虫のチェックが必要です。
- 黒星病:葉に黒い斑点ができ、徐々に葉全体が黄化して枯れる病気です。主に春季から夏季にかけて発生し、高温多湿な環境や栄養不足が原因とされています。予防として、適切な剪定や肥料管理、定期的な病害虫のチェックが必要です。
- ウドンコ病:根部にカビが発生し、根腐れを引き起こす病気です。主に冬季に発生し、低温多湿な環境が原因とされています。予防として、適切な排水管理や土壌の乾燥を防ぐための注意が必要です。
- 菌核病:花や葉に黒い斑点ができ、徐々に全体が黒く変色していく病気です。主に秋季から冬季にかけて発生し、乾燥した環境が原因とされています。予防として、適切な剪定や風通しの良い場所での栽培、定期的な病害虫のチェックが必要です。
ジンチョウゲの害虫は以下のものがあげられます。
- キイロアザミウマ:葉の裏側に発生し、吸汁によって葉が黄化したり、葉に黒いカスがついたりする症状が現れます。予防として、害虫駆除剤や石鹸水などを利用した防除が効果的です。
- ヨトウムシ:葉や花に穴をあけて食害を起こす害虫です。予防として、害虫駆除剤や手で収穫するなどの防除が必要です。
- アブラムシ:葉や花に付着し、吸汁によって葉が黄化したり、葉にカスがついたりする症状が現れます。予防として、害虫駆除剤や石鹸水などを利用した防除が効果的です。
- カイガラムシ:幹や枝に付着し、吸汁によって葉や花が枯れる症状が現れます。予防として、害虫駆除剤や石鹸水などを利用した防除が必要です。
病気や害虫に対しては、適切な防除対策が必要です。また、定期的な観察や、健康な樹木を育てるための適切な管理も重要です。
剪定
ジンチョウゲには、剪定によって美しい形やより多くの花を咲かせることができます。以下は、ジンチョウゲの剪定に関する基本的なポイントです。
- 剪定は、春と秋に行います。春には花後の剪定、秋には成長した枝の剪定を行います。
- 花後の剪定は、枯れた花や古くなった葉を取り除くことで、樹形を整え、次の花芽の形成を促します。
- 秋の剪定は、成長した枝を適度に短く切ることで、樹形を整え、次の春に向けて新しい芽を出しやすくします。
ジンチョウゲの剪定をするときの注意点
ジンチョウゲの強剪定は花のつきが悪くなる原因になるため、適度な剪定が必要です。
植木を枯らさずに剪定する方法
庭木の基本的な剪定方法と枯らさずに剪定する方法は下記のボタンをクリックしてお読みください。
ジンチョウゲの剪定料金
ジンチョウゲの剪定料金は木の高さが1メートルまでなら3,000円程度。 木の高さが1.5メートルまでなら3,500円程度が目安となります。
【まとめ】ジンチョウゲの適切な育て方
ジンチョウゲを育てるためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 土壌は、中性から弱酸性の肥沃で水はけの良い土を選びます。
- 日当たりが良く、風通しの良い場所に植え、乾燥に注意しましょう。
- 水やりは、土が乾いてからたっぷりと与え、水はけの悪い場所に植えた場合は排水改善に努めます。
- 肥料は、春と秋にバランスの良い肥料を与え、過剰な施肥は避けます。
- 剪定は、春と秋に行い、強剪定には注意します。
- 病気や害虫に注意し、発見した場合は早めに対処します。
この記事を読んで、ちょっと自分でジンチョウゲの植栽や剪定をできそうにないと思われた方は、庭師や植木屋に相談することがおすすめです。
この記事を書いた庭師がいる東京の世田谷区にある沼山造園では、剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。