こんにちは。世田谷の植木屋、沼山造園の沼山です。
今回はイヌマキの植え方や育て方、剪定とお手入れについてのまとめについて書いていきます。
イヌマキとは
イヌマキはマキ科マキ属に属する常緑樹で、主に日本や中国南部、台湾、東南アジアに自生しています。
イヌマキの基本情報は以下の通りです。
- 学名:Podocarpus macrophyllus
- 英名:Buddhist pine
- 科属:マキ科マキ属
- タイプ:高木/常緑樹
- 樹形:幹立ち
- 樹高:15m~20m
- 開花期: 4~5月
- 結実期:5~6月
イヌマキの特徴
イヌマキは他のマキの名前が含まれるラカンマキ、コウヤマキに比べて大きく違う特徴は葉の形状と大きさがが異なります。また、日当たりの良い場所を好み、乾燥にも強いため、比較的広い範囲で栽培されています。
- 高さが一般的に10~20メートル程度になりますが、最大で30メートル程度になる場合もあります。
- 葉が細長く平らな葉で、長さ5~15センチメートル程度、幅1センチメートル程度になります。
- 花は花色は白色で、直径は約5ミリメートル程度になります。4~5月頃に咲きます。
- 実は球形で直径が約1センチメートル程度の実をつけます。
- 実の色は最初は緑色ですが、熟すと紫色から黒色に変化します。
庭木や公園などで観賞用として植えられることが多く、樹脂を多く含むため耐水性があり、材木としても利用され、天井板,碁盤,建築材料や家具などに使われます。
さらにイヌマキは、頭痛や胃痛に対して薬用植物としても利用されます。
また、イヌマキは萌芽力が強いため形を変化させることに長けています。そのためか人工的に形状を変えるお手入れを行うことが多く、これらを仕立てると言います。仕立てた植物は仕立物と言われ、マキは球体をたくさん造るタマチラシという仕立て方をすることが多いです。
仕立てものについてはコチラをご覧ください。
イヌマキの花
イヌマキには特徴的な花がありません。イヌマキは雌雄異株であり、雄花と雌花が別々の木につきます。雄花は小さく目立たず、雌花は球形の実をつけます。イヌマキの実は食用には適しませんが、鳥や小動物が食べることがあります。
イヌマキの実
イヌマキは雌雄異株であり、雌木に球形の実をつけます。イヌマキの実は、直径約1.5cm程度の球形で、成熟すると青色から紫色に変化し、その後黒色になります。実の中には、種子が入っており、食用には適しませんが、鳥や小動物が食べることがあります。また、イヌマキの実は独特の甘酸っぱい香りがあり、飾りとして用いられることもあります。
イヌマキの品種
イヌマキの品種にラカンマキがあります。他にも名前にマキがつくコウヤマキというものもあります。
ラカンマキは葉がイヌマキの半分くらいの長さ、大きさになり成長が遅いです。成長が遅いため、庭園などに植栽されることが多いです。
コウヤマキは品種が違うというより属性自体も変わりイヌマキはマキ属マキ科に属してますが、コウヤマキはコウヤマキ属コウヤマキ科に属しています。
イヌマキの植え方(植栽)
イヌマキの植え方は次の通りです。
- 植える場所の確認
- 穴を掘る
- 水をやる
- 支柱を立てる
イヌマキを植える手順について、詳しく説明します。
イヌマキを植える場所の確認
イヌマキを植える場所は、日当たりが良く、排水のよい場所が適しています。
穴を掘る
イヌマキの根が収まる深さと同じ深さの穴を掘ります。穴を浅く掘り、浅く植えると、風で倒れたり、水が十分に吸収できなくなったりすることがあります。穴の土を取り出し、石や根っこを取り除きます。
水をあげる
イヌマキを植えたら、たっぷりと水を与えます。十分な水を与えることで、しっかりと根を張ることができます。
支柱を立てる
1m以上のイヌマキの場合、植えた直後に支柱を立てる必要があります。針葉樹は葉が重いため、樹木が風で倒れたり、倒木になったりしないようにするためのものです。支柱を立てる際には、樹木に傷をつけないように注意してください。
イヌマキの植える時の注意点
イヌマキが元気に育つための植え方は次の5つに気を付けなければいけません。
- 根腐れに注意する
- 土壌改良
- 植える時期
根腐れに注意する
イヌマキは根腐れに弱いため、過剰な水やりや水はけの悪い場所に植えると、根腐れの原因になります。根腐れを防ぐために、水はけの良い場所に植え、適度な水やりを心がけましょう。
土壌改良
イヌマキは、肥沃で排水の良い土壌を好みます。土壌が貧弱であったり、水はけが悪い場合は、土壌の改良を行い、根を張りやすい環境を整えましょう。
植える時期
イヌマキを植えるのに適した時期は、春と秋です。春は3月から5月頃、秋は9月から11月頃が良いとされています。ただし、気温や地域によって適した時期は異なりますので、地域の気候や環境に合わせて植え付け時期を調整することが重要です。また、夏や冬のように極端な気温変化が起こる季節は、植え付けを避けることが望ましいです。
植木を枯らさずに植える方法はコチラ
基本的な植木を枯らさずに植える方法は下記のボタンより別ページに記載しておりますので気になる方はご覧ください。
イヌマキの価格
イヌマキは高価なものから低価格なものまで幅広いです。
仕立てていないイヌマキの材料費(購入価格)は木の高さが1メートルまでなら5,000~20,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら20,000~60,000円程度。3メートルまでなら60,000~100,000円程度が目安となります。
仕立物だと10万円を超えるイヌマキもあります。
植木は季節もので、同じ形のものはありません。お値段の変動が激しいので植えたい方は必ず御見積後のご案内になります。
イヌマキを植える料金
イヌマキを植える料金は木の高さが1メートルまでなら10,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら2,0000円程度。3メートルなら30,000円程度が目安となります。
イヌマキの育て方
イヌマキの育て方は剪定や刈込など手入れ方法を変えたり、肥料、水やりなど、知識が必要です。
剪定
イヌマキは、強い萌芽力を持つ樹種の一つです。定期的に剪定を行うことで、美しい形を保つことができます。剪定は、成長し太くなり過ぎた枝を切り取る時に行います。枝を切る際には、枝の基部に近い場所で行い、断面がすっきりとするようにします。成長した枝の剪定は樹形を整え、健康な成長を促すことができます。
長い枝は、樹形が乱れバランスを崩す原因になります。短く切り詰めることで、マキが整います。
イヌマキの剪定時期は、通常は成長期の春から夏にかけて行います。この時期は、剪定した部位が新芽を出し、回復しやすいためです。
刈込
イヌマキの刈り込みについては、以下のポイントがあります。
イヌマキは成長が早いため、年に1回から2回程度の刈り込みが必要です。ただし、刈込過多になると、新芽が出にくくなり、根を張る力が弱まるため、イヌマキの様子をみて適度に刈り込むようにしましょう。
刈り込みの時期:イヌマキは成長期の春から夏にかけて刈り込むのが適しています。秋や冬に刈り込むと、新芽が出ずに剪定面から病気や虫害が発生することがあります。
イヌマキのお手入れのコツ
イヌマキのお手入れのコツはは通常は刈込を行い2~3年に1度ハサミやノコギリを使い、切り戻し剪定を行います。刈込のお手入れを続けると切り口付近の枝が太くなり徐々に木がおおきくなってしまいます。この対処として切り戻し剪定を行います。
植木を枯らさずに剪定する方法
庭木の基本的な剪定方法と枯らさずに剪定する方法は下記のボタンをクリックしてお読みください。
肥料
イヌマキの肥料については、以下のようなポイントがあります。
イヌマキは、有機物を好む樹木のため、基本的には堆肥を使用することがおすすめです。堆肥は、土壌の有機物を増やし、イヌマキが必要とする栄養素を供給することができます。
イヌマキは、窒素肥料を過剰に与えると、葉や枝が伸びすぎたり、健康を害したりすることがあります。そのため、窒素肥料は控えめに使用しましょう。
イヌマキの肥料は与える時期によって効果が異なるため、時期に合わせて与えることが大切です。春先から秋口にかけて、月に1回程度、堆肥を与えると良いでしょう。
水やり
イヌマキは、比較的乾燥に強い樹木であり、土壌が乾いてから水を与えることがおすすめです。以下は、イヌマキの水やりに関するポイントです。
イヌマキは、土壌が湿っていると根が傷つきやすくなるため、過剰な水やりは避けましょう。土壌表面が湿っている場合は、水やりを控えるようにします。過剰な水やりは根腐れや葉焼けの原因となることがあります。そのため、土壌表面が乾いたら適量の水を与えるようにします。
イヌマキの水やりの頻度は、季節によって調整する必要があります。夏場は水分が蒸発しやすいため、頻繁に水やりを行い、冬場は乾燥しにくいため、水やりを控えめに行うようにしましょう。
イヌマキの剪定料金
イヌマキの剪定料金は木の高さが1メートルまでなら3,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら5,000円程度。3メートルなら8,000円程度が目安となります。
イヌマキの仕立物の剪定料金
イヌマキの仕立物の剪定料金は木の高さが1メートルまでなら5,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら7,000円程度。3メートルなら10,000円程度が目安となります。
イヌマキの刈込料金
イヌマキの刈込料金は木の高さが1メートルまでなら2,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら4,000円程度。3メートルなら7,000円程度が目安となります。
イヌマキの仕立物の刈込料金
イヌマキの仕立物の刈込料金は木の高さが1メートルまでなら4,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら6,000円程度。3メートルなら9,000円程度が目安となります。
イヌマキの剪定時期
イヌマキの剪定時期は、原則として冬から春に行うことが望ましいです。
具体的には、3~4月頃が最適な時期です。この時期に剪定を行うことで、新芽が春に出てきた際に均等に成長するようになり、木全体のバランスが良くなります。
また冬季に剪定を行う場合でも、霜が降りる前に行うことが大切です。また、夏季にも形を整えるための軽い剪定を行うことができますが、夏の暑い時期に剪定すると樹液が流れ出てしまうことがあるので、気温が低い早朝や晩に行うことが望ましいです。
夏の暑い時期にイヌマキを剪定すると、樹液が流れ出ることがあります。この状態は、イヌマキが生きていくために必要な水分や養分が失われてしまうことを意味します。また、樹液が出ると、それに伴って栄養分も流れ出してしまい、樹木が栄養不足になる可能性があります。さらに、剪定時に傷ついた枝や幹から病気や害虫が侵入することもあります。そのため、夏の暑い時期に剪定を行うと、イヌマキの生育に悪影響を及ぼす可能性があります。適切な時期に適切な方法で剪定を行うことが、イヌマキの健康な成長に必要なことです。
【まとめ】イヌマキの適切な育て方
以下が、イヌマキの育て方のまとめです。
- 植え付け時期は秋か春が良い。日当たりがよく、排水が良い場所を選ぶ。
- 鉢植えの場合は、サイズが大きくても根詰まりを起こさないよう、適度な大きさの鉢を使う。
- 土は、水はけの良い培養土に、若干の赤玉土と腐葉土を混ぜ合わせる。
- 植え付け後は、十分に水を与え、植栽後1か月程度は水やりをしっかり行う。
- 肥料は、植えつけ時に基礎肥料を施し、春から秋にかけて月1回液体肥料を与える。
- 剪定は、冬季に行う。生育の活発な時期には剪定を避け、必要な場合は軽く手入れする。
- 病害虫には、アブラムシやハダニが発生することがある。定期的な防除や、発見した場合には速やかに対処する。
以上のように、イヌマキの植え方や育て方によって美しい枝ぶりや紅葉を楽しむことができます。日当たりや水はけに注意し、剪定や肥料の管理も適切に行うことが肝要です。また、冬期には凍結に注意し、保護を行うことで、樹木を健康に保つことができます。
この記事を読んで、ちょっと自分でイヌマキの植栽や剪定をできそうにないと思われた方は、植木屋に相談することがおすすめです。
この記事を書いた世田谷区にある沼山造園では、剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。