こんにちは。世田谷の植木屋、沼山造園の沼山です。
今回はコウヤマキの植え方や育て方、剪定とお手入れについてのまとめについて書いていきます。
コウヤマキとは
コウヤマキはコウヤマキ科コウヤマキ属に属する常緑樹で、主に日本や中国南部、台湾、東南アジアに自生しています。
コウヤマキはヒマラヤスギ、ナンヨウスギ(アローカリア)と並び、世界三大美樹のひとつです。
性質はおとなしく、若木のうちはなかなか大きくなりません。そのため、1m以上の苗は高価ですが、かっこいい形になってきます。
イヌマキの基本情報は以下の通りです。
- 学名:Sciadopitys verticillata
- 英名:Japanese umbrella pine
- 科属:コウヤマキ科コウヤマキ属
- タイプ:高木/常緑樹
- 樹形:幹立ち
- 樹高:20m~40m
- 開花期: 4~5月
- 結実期:5~6月
コウヤマキの特徴
コウヤマキは、中国原産の植物です。約5000万年前の中生代後期に栄えた樹種で、長い間、化石種としてしか知られていませんでしたが、1941年に中国で発見された生存している種の一つとして、科学的に記載されました。
日本列島は、黒潮の影響をうけ氷期の冬でも暖かだったため、生き残ることができました。
コウヤマキは、高さ40メートルに達することがあり、直径2メートル以上にも育ちます。樹皮は茶色がかった灰色で、厚く、柔らかい。葉は針葉で、長さ約1センチメートルで、一年中淡緑色をしています。秋には、美しい紅葉を見せます。
コウヤマキは、耐寒性が強く、成長が早いため、広く栽培されています。また、繊維質の材木としても重要で、建築材料や家具、造船に使用されます。コウヤマキは、世界的に見ても珍しい常緑高木の一つで、その美しい姿勢や枝ぶりが広く愛されています。
幼木期は日陰でも育ちますが、日あたりで育てたほうが良いです。
葉は細葉で新緑時期は少し明るい緑色。見た目は針葉ですが、ちくちく痛くなく、柔らかいです。夏に渋い感じの緑になり、冬の寒さで紫がかったベージュ色に紅葉します。
コウヤマキの花
コウヤマキの花は、5月から6月にかけて咲きます。花は小さく、径が約1cm程度で、淡いピンク色の花弁が4枚あり、中心には黄色い雄しべと柱頭があります。花弁は細長く、放射状に広がる形をしています。コウヤマキの花は、枝先に総状花序を形成し、たくさんの花を咲かせます。花の香りはほのかで、爽やかな印象を与えます。
コウヤマキの実
コウヤマキの実は、秋になると熟して赤くなります。実は直径が約1cm程度で、表面はなめらかで光沢があります。実はやや丸みを帯びた形をしており、果肉の中には1つの種子が入っています。コウヤマキの実は、鳥によって運ばれることが多く、広い範囲に種が散布されます。また、コウヤマキの実は有毒で、食べることができません。しかし、実の色が鮮やかな赤色で、秋の庭を彩ってくれるため、観賞価値があります。
コウヤマキの品種
コウヤマキの品種に以下のようなものがあります。
- シダレコウヤマキ
- フイリコウヤマキ
- 黄金葉コウヤマキ
コウヤマキの植え方(植栽)
コウヤマキの植え方は次の通りです。
- 植える場所の確認
- 穴を掘る
- 水をやる
- 支柱を立てる
- 養生
コウヤマキを植える手順について、詳しく説明します。
コウヤマキを植える場所の確認
コウヤマキを植える場所は、日当たりが良く、排水のよい場所が適しています。また根を広く張り、数十年から数百年かけてゆっくりと巨木になるため他の樹木や道路などから十分に離して植えてあげましょう。
穴を掘る
コウヤマキの根が収まる深さと同じ深さの穴を掘ります。穴を浅く掘り、浅く植えると、風で倒れたり、水が十分に吸収できなくなったりすることがあります。
水をあげる
コウヤマキを植えたら、たっぷりと水を与えます。十分な水を与えることで、しっかりと根を張ることができます。
支柱を立てる
1m以上のコウヤマキの場合、植えた直後に支柱を立てる必要があります。針葉樹は葉が重いため、樹木が風で倒れたり、倒木になったりしないようにするためのものです。支柱を立てる際には、樹木に傷をつけないように注意してください。
養生
コウヤマキの養生期間は、植え付け後約1年程度必要です。この期間は、環境の変化で樹勢が低下することがあるので、対策が必要になります。また養生期間が終われば、その後は定期的な手入れをしながら、美しいコウヤマキを育てることができます。
コウヤマキの植える時の注意点
コウヤマキが元気に育つための植え方は次の2つに気を付けなければいけません。
- 土壌改良
- 植える時期
土壌改良
コウヤマキは、中性からやや酸性の土壌を好みます。植える前に、適切な土壌を用意することが大切です。
植える時期
コウヤマキは、植え付ける時期によって根付きや成長に影響を与えることがあります。最も適した時期は、春か秋の涼しい時期です。
植木を枯らさずに植える方法はコチラ
基本的な植木を枯らさずに植える方法は下記のボタンより別ページに記載しておりますので気になる方はご覧ください。
コウヤマキの価格
コウヤマキは高価なものが多いです。
仕立てていないコウヤマキの材料費(購入価格)は木の高さが1メートルまでなら15,000~20,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら20,000~100,000円程度。3メートルまでなら100,000~300,000円程度が目安となります。
仕立物だと100万円を超えるものもあります。
植木は季節もので、同じ形のものはありません。お値段の変動が激しいので植えたい方は必ず御見積後のご案内になります。
コウヤマキを植える料金
コウヤマキを植える料金は木の高さが1メートルまでなら20,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら4,0000円程度。3メートルなら60,000円程度が目安となります。
コウヤマキの育て方
コウヤマキの育て方は剪定や刈込など手入れ方法を変えたり、肥料、水やりなど、知識が必要です。
剪定
コウヤマキの剪定には、次の方法があります。
- 剪定時期:剪定は、主に冬の休眠期に行います。しかし、成長が早い場合は夏場にも剪定を行うことがあります。
- 剪定場所:剪定する場合は、枯れた枝や病気の枝を切り取りましょう。また、枝の間隔が近くて重なっている場合は、太くて元気のある枝を残し、細くて弱々しい枝は切り取るとよいでしょう。
- 剪定の方法:コウヤマキは、球状に育てることが多いため、剪定には、手で枝を摘む「摘心」という方法が一般的です。主幹を中心に、周囲の枝を摘むことで、球状に整えることができます。
- 剪定後の処理:剪定後は、切り口が傷ついた場合には防虫剤を塗布するとよいでしょう。
以上の手順を守りながら、剪定を行うことで、コウヤマキの美しい樹形を保つことができます。
植木を枯らさずに剪定する方法
庭木の基本的な剪定方法と枯らさずに剪定する方法は下記のボタンをクリックしてお読みください。
肥料
コウヤマキには、成長に必要な栄養素を補給するために適切な肥料を与えることが重要です。以下に、コウヤマキに適した肥料の種類について説明します。
- 窒素肥料:コウヤマキは、窒素を多く必要とする植物です。窒素肥料を与えることで、葉や茎などの成長を促進することができます。
- リン酸肥料:リン酸肥料は、花や実をつける際に必要な栄養素で、コウヤマキの根の成長にも重要な役割を果たします。
- カリ肥料:カリ肥料は、樹木の生育や耐病性を高めるために必要な栄養素で、コウヤマキの病気や害虫に対する抵抗力を強化することができます。
- 有機肥料:有機肥料は、植物に必要な栄養素だけでなく、微生物や土壌の保水性、排水性を改善する効果もあります。コウヤマキに有機肥料を与えることで、健康的な成長を促すことができます。
肥料の与え方については、コウヤマキの栄養状態や育成環境によって異なるため、専門家に相談することをおすすめします。また、過剰な肥料の与え方は、植物の生育に悪影響を与えることがあるため、適切な量を守って与えることが大切です。
水やり
コウヤマキの水やりについては、以下の点に注意することが大切です。
- 適切な頻度で行う:コウヤマキは、乾燥に弱い植物です。特に成長期や夏場は、土が乾燥しやすいため、適切な頻度で水やりを行うことが必要です。一般的には、土が乾いたら十分な量の水を与えるようにしましょう。
- 水の量に注意する:コウヤマキは、根腐れや過湿に弱い植物でもあります。水やりの際には、土の表面が乾いていることを確認してから、十分な量の水を与えます。また、鉢植えの場合は、鉢底に溜まった水を排水することも大切です。
- 給水方法に注意する:コウヤマキは、水を葉の表面にかけることができる植物ですが、太陽光が当たる場所での水やりは避けるようにしましょう。また、葉の表面に水滴が残っていると、光合成が妨げられることがあるため、できるだけ葉の表面に水をかけないようにしましょう。
- 水質に注意する:コウヤマキは、アルカリ性の水質に弱い植物でもあります。水やりには、中性~弱酸性の水を使うようにしましょう。市販の水道水ではアルカリ性の場合があるため、pH調整剤を加えることも考えられます。
以上のように、コウヤマキの水やりには注意が必要です。植物の状態や環境に合わせて、適切な水やりを行うようにしましょう。
コウヤマキの剪定料金
コウヤマキの剪定料金は木の高さが1メートルまでなら5,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら7,000円程度。3メートルなら10,000円程度が目安となります。
コウヤマキの剪定時期
剪定の時期については、原則として冬季に行うことが推奨されています。具体的には、2月から3月頃が適しています。この時期に剪定することで、新芽が出てくる前に必要な枝の切り戻しや整形を行うことができます。
コウヤマキは、枝が広がりやすいため、定期的な剪定が必要です。剪定時期は、原則として冬季に行いますが、地域や気候条件によって異なる場合があります。日本の一部地域では11月頃に剪定を行うことがあります。
剪定の基本的な方法は、伸びすぎた枝を切り戻すことです。また、樹形を整えるために、不要な枝を取り除いたり、下部の枝を切り詰めたりすることもあります。ただし、強い剪定は新芽の発生を妨げることがあるため、適度な剪定が必要です。
【まとめ】コウヤマキの適切な育て方
コウヤマキの育て方をまとめると、以下のようになります。
- 植え付け:春か秋の適温期に、排水性の良いやや酸性の土壌を用意して植え付けます。日当たりが良く風通しの良い場所を選びます。
- 水やり:乾燥気味が好ましいため、土の表面が乾いたら適度に水を与えます。夏場は特に注意が必要です。
- 肥料:春から秋にかけて、堆肥や有機肥料を適宜与えます。過剰な施肥は避け、量は少なめにします。
- 剪定:定期的に剪定を行い、枝を整えます。大きな剪定は避け、軽い剪定を行います。
- 刈込:形を整えるために、春先に全体的な刈込を行います。
これらの注意点を守ることで、健康的な成長と美しい姿を保つことができます。
この記事を読んで、ちょっと自分でコウヤマキの植栽や剪定をできそうにないと思われた方は、植木屋に相談することがおすすめです。
この記事を書いた世田谷区にある沼山造園では、剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。