こんにちは、世田谷区の植木屋、沼山造園です。
本日は川崎市の芝張りについての事例記事です。
マンション住みで芝のある庭を諦めきれなかった方から芝張りのご依頼があり、現地調査をして芝張りの作業をしました。諦めきれなかったというのは現地調査の時のこんなお話のことです。
現地を見ると微かに芝の跡があり、およそ9割の芝が枯れていました。
芝を張ってから枯れ始め、メンテナンスの業者さんに数回ほど復旧を頼んだ所、復旧作業をして帰っていったそうです。
「これで大丈夫ですよ!」と言われてから数カ月、何も変化がなく枯れたままということでした。
数回、復旧お願いしてだめだったけど「最後にもう一度だけ芝のある生活がしたい」と、こんな風におっしゃってました。このような状態での作業となりました。
芝の範囲はおよそ2m×1.5m=3.0㎡(平米)程の面積でした。今回は実際の芝張りの作業例を動画と写真を添えてご紹介していきます。
芝を張る前に
まず芝張りの作業を受けれるかどうかは、せっかく張った芝を枯らしたくはないので太陽が確実に当たるかどうかで決めさせて頂いてます。芝の育成で一番大切なのは太陽光があたるかどうかです。これがクリアできなければ芝張りはお断りしております。
芝を張る箇所に5時間ほど太陽光があたっていたので問題はなさそうでした。
土壌改良をしっかりさせてもらうことと、芝生の管理もしっかりするというご依頼主の意欲もありお見積りをして作業をさせていただくことになりました。
一般的な芝張りの施工手順
芝張りの作業は大きくわけて土壌改良と芝張りの2つの作業です。細かい説明は以下の通りです。
土壌改良
- 雑草を取る
- 地面を掘る(10cm程度)
- 掘った穴の整形
- 砂や目土を敷く
芝張り
- 芝張り
- 目土を入れ
- 水あげ
土壌改良は水はけを良くするため
芝の天敵は湿気と日陰です。これを解決するためには環境を変えてしかありません。
太陽光は春から秋までで最低でも一日5時間以上当たること。
土壌は水を撒くとしみ込んで乾きやすいこと。
以上の2つの点が必須になります。
今回行った実際の芝張り
今回は芝の張る箇所が苔が生えていて、水はけが悪いことがわかりました。地盤が相当硬いか、なんらかの原因で排水がしにくい状態だったのではないかと思い、下記のように排水性が通常よりも良い土壌に仕上げることにしました。
また、通常は土壌改良を行うときに10cmほどの深さを掘りますが、水はけのことを考え、今回は20cm掘り土壌改良を行うことにしました。
- 雑草を取る
- 地面を掘る(20cm)
- 掘った穴の整形
- 砂利を敷き詰める
- 洗い砂を敷き詰める
- 山砂を敷き詰める(保水性の確保)
- 土壌に水あげ
- 芝張り
- 芝と芝の間に目土を入れる
- 水あげ
- 水はけを良くする土壌改良
雑草を取る
まず初めに、雑草の混じった土を捨てると割高になるので芝生に変える範囲の土に生えてる雑草を取ります。少し生えていた芝生も剥がゴミ袋にいいれていきます。
地面を掘る
ご依頼主に頼まれた範囲の土を土壌改良するために土を掘っていきます。掘った土は使バケツに入れダンプに積み捨てます。
正確な計算だと3㎡の深さ0.2mの土を掘ったので0.6㎥の土が出ることになります。これでダンプ半分ほどの土になりました。
今回は20cmほど掘って正解でした。岩盤や、コンクリートのガラがたくさんでてきたため、およそ芝が育つ環境とは程遠いものでした。
掘った穴の整形
掘った穴がでこぼこしたままだと水が溜まりやすい場所ができ、芝生の育成に良くないので、掘った地面の凹凸を無くす整地作業をしていきます。
整形時に大事なことは地面の水が溜まらないように全体の傾斜を作ることです。高いところから低いところを作っていきます。
砂利を敷き詰める
水はけをよくするための第一段階で、ダンプで運んできた砂利を傾斜に合わせて敷き均していきます。均した後はしっかりと踏みならし、地面と同じように凹凸がないようにします。
洗い砂を敷き詰める
水はけをよくするための第二段階です。ダンプで運んできた粗目傾斜に合わせ敷き均していきます。微調整は平らな木の板や小手を使っていきます。
山砂を敷き詰める(保水性の確保)
水はけが良すぎても良くないので保水性も確保します。山砂は砂の中でも保水性に特化し、後の肥料の散布にも効果を表します。
山砂を敷き、コテなどで強く転圧をし、踏んでも簡単に崩れないようにします。
綺麗に均し水をかけ、水が浸みこみながら傾斜の低い所へと水が流れていけば成功です。
土壌に水あげ
芝を早く張りたいところですが、芝と山砂が隙間なく張り付きように芝の根を付きやすくするために山砂に大量の水をかけていきます。この時に水の出し方はシャワー状にしましょう。バケツなどで水をあげると綺麗に均した山砂が崩れる可能性があります。
また、この時に変に水が溜まるところが無いか確認します。見落としている僅かな穴や、傾斜になっていないなどがあれば、後々芝の育成に支障がでるからです。
芝張り
今回は高麗芝を少しだけ芝生と芝生の間をあけて張っていきます。
芝生は切り張り加工が可能ですが、できることなら加工はしない方がいいです。これは芝生を切るときに一緒に根っこも切ってしまい、芝張りのときに芝が少し弱ってしまうからです。
なるべく加工する部分を減らし、芝生を張っていくことが芝を早く根付かせる一歩になります。。
芝と芝の間に目土を入れる
芝の張り方には色々種類がありますが芝と芝の間には必ず隙間があるはずです。
この隙間に砂を敷き詰めていきます。
この作業を行う理由は芝の間に空間があると根っこを伸ばし水を吸うことができないからです。隙間に水が溜まるので芝が上手く育たなくなります。これを防ぐために、芝と芝の間の隙間に目土を入れていきます。
水あげ
ここまでの作業が終わったら再度シャワータイプで芝生全体にたっぷりと水をあげます。
芝張り完了
上記の写真を見て左から右に向かって傾斜を作っています。
ご依頼主も芝のお手入れをきちんとしてくれるみたいなので、芝刈りのタイミング、水は根付くまで毎日あげてほしい等のを話して作業を終えました。
芝張り料金
2m×1.5m=3.0㎡(平米)の面積の芝張り
- 土壌改良料金78,286円(税込)
- 土壌改良材料費29,260円(税込)
- 芝張り料金5,586円(税込)
- 芝張り材料費で10,639円(税込)
合計123,771円になりました。
芝張り後2週間経過した芝生
※2020年6月8日追記
この芝張りは5月1日に行ったもので、2週間経過した5月15日にお客様から写真を撮って送って頂きました。
2週間にしては芝がしっかり伸びてきました。また、少し目地があけているので、目地の部分はまだ芝の根が伸びていないので直線的に生えそろっていない状態です。
また、2週間目で確認することは他にもあり、芝と山砂がきちんと絡んでいるかどうかです。
少し芝生を持ち上げてみたところ、まだ簡単に剥がれてしまう状態でした。芝の葉は伸びても根はそこまで伸びないということです。
この状態では芝に乗るのは禁止です。水あげもかかせません。
芝張り後一カ月経過した芝生
お客さんが芝を張ってから1カ月経ったところで写真を送ってくれました。下記がその写真になります。
2週間経過しているときより芝の葉の量が増えているのがわかりますでしょうか。伸びているというより密度が濃くなっています。また目地の箇所にも芝の葉が出てきてきちんと芝の根が伸びていることもわかります。
写真を頂いた後に芝生が山砂に活着しているか確認しにいきましたが、肝心の芝の根が山砂にきちんと活着しました。芝張りは成功です。
芝張りの後にする管理とは
芝張りの後にする管理といえば芝刈りの出番です。
芝が根付いたらどんどん芝を刈っていきましょう。
また芝を張ってから1年間はお水あげは毎日行うようにしましょう。
高麗芝の育成方法については「徹底解説!高麗芝生の育成方法」こちらをお読みください。
芝張り事例についてのまとめ
以上の作業をして、ご依頼主もこんなに綺麗になるとは思わなかったと、喜んでくれました。
芝の育成には土壌の水はけと太陽光が大事なので、作業時は土壌改良で不必要になった土の処分、水はけのための新しい芝の下地作りをして、芝生を張りたっぷり水をあげ芝を張る。
芝張りのあとは毎日水をたくさんあげ早く根付かせる。
芝が根付いたあとの芝刈りも大事なのでしっかりと芝刈りをして芝を綺麗に育てる。