こんにちは、世田谷の植木屋、沼山造園の沼山です。
先日、常緑樹の剪定について記事を書かせてもらいましたが、今回はその中でも「常緑樹の広葉樹」についての剪定について書いていこうと思います。
常緑樹の広葉樹とは
常緑樹とは、一年中緑色の葉を持ち、落葉しない樹木のことを指します。広葉樹は、葉が広く平たい形状をしており、針葉樹とは異なる特徴を持っています。広葉樹は、風景を美しく飾るだけでなく、森林生態系や人間の生活にも欠かせない樹種のひとつです。
常緑樹の広葉樹の種類
日本では、代表的な常緑樹の広葉樹として、ヒイラギ、カシ、クスノキやモチ、最近流行りのソヨゴなどがあります。
以上が、一般的な常緑樹の種類ですが、種類によってはこの分類に含まれないものや、独自の特徴を持つものもあります。
剪定とは
剪定は植木の成長や形状を整えるために行われます。正しい剪定をすることで、植物の成長を促進し、綺麗で健康的な植物を育てることができます。この結果、病害虫の発生を防止することがきます。
剪定する際の注意点について理解することが重要です。怪我や事故が起こりやすく最近では熱中症などの原因にもなっています。
常緑樹の広葉樹の剪定の目的
常緑樹の広葉樹の剪定には、以下のような目的があります。
- 樹形を整える目的
- 樹木同士のけんかを無くす
- 建物などの物損を無くす
- 迷惑防止
- 太陽光の調整
- 枝の伸びを抑制
- 樹木の軽量化
- 枯れ枝の撤去
- 新しい芽の促進
- 安全確保の目的
- 光合成効率を高める目的
- 空気循環を促進する目的
- 果実や花を増やす目的
樹形を整える目的
成長すると大きく枝を広げ、樹形が崩れたり、周囲に影を落としたりすることがあります。このような場合には、樹形を整えるために、剪定によって枝をカットすることで、生長を促進し、美しい形を保つことができます。
樹木同士のけんかを無くす
常緑樹の広葉樹は大きく横に広がりやすく、近い木々を飲み込んでしまうほど枝を伸ばすことがあります。飲み込まれ、負けた方は光合成がしにくく、枝や幹が傷つき、成長が止まってしまうことがあります。
剪定をすることで木々同士のケンカをなくし、お互い成長させることができます。
建物などの物損を無くす
樹木というのは周りの環境をお構いなく成長していくものです。それが大切な建物や車、フェンスや、全てのものに関係なく自由に伸びていくものです。こういった大切な物に傷をつけないように、事前に剪定することが可能です。
迷惑防止
上述した通り、木は自由に伸びます。それが隣家や、道路の方へと伸びていくことも多々あるので、こういった事を防止するために剪定が行われます。
太陽光の調整
広葉樹は1年を通して葉がついているため日光を常に遮断します。自宅や他の木々、お庭にも太陽光が当たるように剪定することを目的とする場合もあります。
枝の伸びを抑制
剪定によって、枝の伸びを抑制することで、伸びにくい枝にすることができます。
樹木の軽量化
広葉樹は1年を通して葉がつき、葉の量もどんどん増えていきます。特定の時期に不要な葉を落とすクスノキなどもありますが、総じて枝も太くなり、どんどん樹木が重くなり、自然災害などで倒木や枝折れなどといったことが起きてしまいます。
剪定によって枝数や葉の量を減らすことで軽量化され、事故を未然に防ぐことができます。
枯れ枝の撤去
広葉樹は葉が多いため、幹に近い枝や、古くなった枝は枯れてしまうことがあります。枯れた部分を剪定することで、新しい芽や葉が生えやすくなります。
新しい芽の促進
剪定することにより、新しい芽がふかせることもできます。
光合成効率を高める目的
広葉樹が周囲の建物や樹木によって日光を遮られると、枝や葉が偏って育ってしまい、形が歪んだり、病気にかかりやすくなります。剪定によって、健康的な枝を残しつつ、十分な日光を取り込むことができます。
空気循環を促進する目的
広葉樹の剪定によって、枝や葉の密集を解消することで、風通しを良くすることができます。これによって、樹木内の空気の循環を促進し、病気を防止することができます。
果実や花を増やす目的
広葉樹には、果実や花をつけるものがあります。剪定によって、花や果実を増やすことができます。枝を切り戻したり、摘芯することで、樹木に栄養を集中させることができます。
樹形を整える目的
常緑樹は成長するにつれて、枝や葉が伸びて形が崩れてしまうことがあります。剪定によって、樹形を整えて美しい姿を維持することができます。
安全確保の目的
常緑樹は大きくなると、枝が伸びすぎて周囲の建物や電線、道路に接触することがあります。また、枝や葉が風で折れたり、重みで折れたりすることがあります。これらの危険を防止する安全確保の目的で剪定します。
光合成効率を高める目的
常緑樹の葉は光合成を行い、樹木にとって重要な栄養を作り出す役割を担っています。枝葉が密集している場合、光が十分に葉に届かず、光合成効率が低下します。このようにならないように光合成効率を高める目的で剪定を行います。
空気循環を促進する目的
空気循環を促進する目的 枝葉が密集していると、風通しも悪くなります。剪定によって、空気の循環を促進することができます。これによって、蒸発散効率が高まり、樹木の健康維持につながります。
果実や花を増やす目的
果実や花を増やす目的 果実や花をつける部分に対して、適切な剪定を行うことで、花や果実の量を増やすことができます。
以上のように目的に合わせて剪定を行うことが重要です。とりあえず伸びたから切りたい方は上から3つを目的に剪定を行うと問題ないと思います。
「常緑樹の広葉樹の剪定」春先の4~5月、秋口の10月に剪定したほうが良い理由
基本的に常緑広葉樹の通常剪定の時期は春先の4~5月、秋口の10月に行います。
通常の剪定を行う場合は春先や秋口が適している理由は、春先は新芽が出て成長が活発になる時期で、秋口は伸び切った枝を剪定し、調整することができ夏や冬に比べ悪影響がでることが少ないからです。
ただし、地域や気候によっては、成長期や剪定の時期が異なる場合がありますので、近くの専門家(植木屋や庭師)に相談することをおすすめします。
常緑樹広葉樹を春に剪定するメリット
常緑樹を春に剪定することには、以下のような4つのメリットがあります。
- 成長期に入る前の剪定であり、新芽の成長を促進することができます。
- 春の陽気が訪れる前に剪定を済ませることで、樹木の成長をスムーズに始めることができます。
- 樹木が休眠状態から目覚める春に剪定することで、樹木の活力を高めることができます。
- 枝や葉が茂りすぎる前に剪定することで、樹木の形状を整えることができます。
常緑樹広葉樹を春に剪定するデメリット
常緑樹を春に剪定することには、以下のよう2つのデメリットがあります。
- 春先は新芽が出てくる時期であり、新芽は柔らかいものが多く、傷つきやすいので注意深く行う必要があります。
- 新芽が傷つくとその年に伸びるはずだった枝が伸びなくなります。
常緑樹広葉樹を秋に剪定するメリット
常緑樹を春に剪定することには、以下のような3つのメリットがあります。
- 樹木が休眠する前に剪定を行うことで、次の年の春先の新芽の成長を促進しやすくなります。
- 樹木の成長が鈍くなる秋に剪定することで、剪定によるストレスが最小限に抑えられます。
- 樹木の形状を整えることで、冬季に雪などの重みによる損傷を防ぐことができます。
常緑樹広葉樹を秋に剪定するデメリット
常緑樹を秋に剪定することには、以下のよう2つのデメリットがあります。
- 剪定によって傷ついた部分から病気や害虫が侵入する可能性があります。剪定後の適切な処理や消毒が必要です。
- 剪定後に寒冷な冬に霜害を受ける可能性があります。寒冷地では注意が必要です。
常緑広葉樹の夏の剪定を行うとき
夏場の常緑広葉樹の剪定は行わなくていいのであればやらないことをお勧めします。樹木が弱る原因なります。
どうしても剪定する場合は樹木の一番外側にある枝先を剪定する程度にしましょう。
常緑広葉樹の強剪定時期
常緑広葉樹は成長が早いため、ご依頼内容をお聞きしていると、たくさん剪定したい、背を小さくしたい、木を小さくしたいというご要望を聞きます。
このたくさん剪定することを「強剪定」と呼びます。
強剪定を行う場合は秋口から冬にかけたほどよく寒くなってきた時期、10月末から12月頃をオススメしています。樹木がどれくらい元気なのかを確認したうえで剪定できる量を決めることができます。
この時期は常緑広葉樹も成長が停滞している半休眠時期になっているため剪定によるダメージがかなり低くなります。強剪定を行うときは幹に近い、葉や芽を残して剪定していくのが理想です。側枝と呼ばれる枝があれば、この枝を残していきます。
強剪定を終えて、新芽が吹く春ごろに再度剪定を行うと、残った新芽の促進や樹形を保つことができます。
常緑広葉樹の枝をたくさん切る時の注意点
強剪定を行う時は太い枝や幹を切ることが多いので、強剪定後は樹木の保護が必要になります。癒合材などを使い切り口の保護を行い、細菌が侵入しないよう、早急のケアが必要になります。
切りすぎは植木が枯れる原因になるため、切る量は見極めが必要になります。
常緑樹の剪定の注意点は上述してきた通り、時期を間違えず過度な剪定をしないことです。
また剪定時はハサミやノコギリといった道具を使うと思いますが、適切で清潔な道具を使い、剪定箇所の田断面など綺麗に切ることで病気の予防になります。
また、常緑広葉樹を切るときは雨の日や、雨が降った次の日などは葉や幹、枝などが水分を豊富に含んでいるため、より重たくなり、危険度が跳ね上がります。注意してください。
常緑広葉樹の剪定方法
常緑広葉樹の剪定方法はまずはひこばえや胴吹き枝、徒長枝などの不要枝の剪定を行います。
不要枝の詳しい説明は書きのボタンからお読みください。
次に葉が一切ついていない枯れている枝を剪定します。
最後に枝同士が触れ合っている箇所の片方を剪定し取り除きます。枝のふれあいは傷がついたり、風通しが悪くなったり病害虫の発生の原因になります。
樹木の大きさを変えたい時や葉の量の調整などを行うときは切り戻し剪定や枝抜き剪定を行い、樹形を変化させていきます。
切り戻し剪定や間引き剪定の方法なども不要枝の説明ページ記載しておりますのでご覧ください。
【まとめ】常緑樹の広葉樹の剪定と剪定時期について
常緑樹の広葉樹の剪定は、樹木の健康維持と美観維持の目的のために重要な作業です。
しかし、剪定によってストレスが生じる場合や、成長が乱れる場合があるため、剪定を行う際には、適切な方法や時期を選ぶことが重要です。
剪定のタイミングは、一般的には秋から冬の間や早春が推奨されますが、樹木の種類や地域の気候条件に応じて最適な時期を選ぶ必要があります。
具体的な剪定方法としては、枝の間引きや削減、枝の切り戻し、成長点の調整などがあります。剪定作業を行う際には、適切な道具を使用し、樹木の健康に悪影響を与えないように注意が必要です。
この記事を読んで、自分で常緑樹の広葉樹を剪定をできそうにないと思われた方は、植木屋や庭師に相談することがおすすめです。
この記事を書いた植木屋の世田谷区にある沼山造園では、剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。