芝生のお手入れは小まめにやればやる程、綺麗に育っていき、放置すればするほどスカスカの芝に仕上がります。また、放置した時間だけ回復するのにも時間がかかりますし、根が枯れている箇所は芝が生えてくることはありません。

以下のポイントを抑えれば芝を復活、または修復できることができます。ですが上述した通り時間はかかります。

完全に根まで枯れてる場合は復活は無理ですので5月ごろに産毛ほどしか伸びてこない場合は張り替えることをお勧めします。

まだ芝生が生きている状態であれば、初級編の問題を解決できれば、芝をある程度まで回復することができます。すでに初級編を試した方は中級編の方のよくあるトラブル対処法を参考にされるとよいでしょう。

中級編は初級編の問題点を解決しなければ芝を元気な姿に回復することができない作業になりますのでまず初級編で芝を回復させてから挑みましょう。

手っ取り早く全ての芝生を張り替えることも可能ですが、初級編のポイントを抑えないと、張り替えても意味のない結果になります。まず初級編をお読みください。

【初級編】荒れた芝地を復活させる3つの見直しポイント

まずは以下の芝の状態と芝の周りの状態を確認しましょう。

  1. 日なた
  2. 水はけ
  3. 芝生の枯れ・病気

この順番で確認していきますが数字が小さい順で重要です。そしてこの順で解決しなければいけません。ですので1番が解決できなければ2番を解決しても意味がありません。

この順で芝地を見ていきましょう。

日なた

芝は日があたらなければ育ちません。庭木が芝を邪魔しているのであればお手入れして日を入れることができますが、建物が芝を邪魔している場合、どうにもできません。芝を植えた箇所に問題があります。

建物がこの問題に関係している場合は違う箇所に芝を張り替えます。ブロック塀などの場合はフェンスに替えるなどの作業が必要になります。

また、春先から休眠時まで芝は1日4時間以上日が当たっていなければいけません。

※詳しい芝の育成方法は「芝を張って何年?高麗芝の育成方法」に書いていますが、まずこの初級編に書いてある3つの問題を解決しなければいけません。

水はけ

数年経過した芝生の土壌は固くなり、水が溜まりやすく芝生の根が伸びにくい環境になっていきます。この状態ですと、芝生を張り替えても水はけが悪い限り病気の再発や芝生が綺麗に育っていきません。

水はけを確認しましょう。

確認方法は日が良くあたるのに芝に苔が生えていたり、芝に水をあげて水たまりが数時間経っても無くならない場合は水はけが悪いと言えます。

芝は水はけの良い土壌で育ちやすいです。

水はけが悪い場合の対処法は、エアレーションという芝地に小さな穴をたくさんあける作業を行っていきます。専用の機械や道具を使い、穴をあけ芝生を土壌を柔らかくし、土壌に空気を含ませ、水はけの良い状態を作ります。

柔らかくなった土壌では芝の根が伸びやすく、呼吸をすることができます。芝生も呼吸をしてます。

エアレーションの時期と頻度

エアレーションは3月から5月までの間に一度とエアレーションを行ってから3カ月ほど経ったときにもう一度行います。真夏日には行わないようにしましょう。根がダメージを受け枯れてしまうことがあります。

1年に2度ほどすれば効果的です。

エアレーション後

エアレーションは芝に穴をあける作業になるので穴の空いた箇所には目土を入れていきます。こちらもホームセンターで売っているので凹凸にならないように入れていきましょう。

芝生の枯れ・病気

水はけの状態を解決できたら、次は芝の状態を確認します。長年、芝生を放置すると枯れたり病気になります。

芝生の枯れ

芝生を張った場所なのに春になっても葉が出てこないときは根が枯れていて、それ以降も芝は出てきません。時間が経つと違う箇所の芝の根が伸びてくる可能性がありますが、とても時間がかかります。

芝がちょろちょろとしか生えてこない場合、芝の根が弱っていて枯れかかっていると思ってください。

この場合の対処法は、新しい芝を張りかえる必要があります。

芝生の病気

芝生も芝刈りを怠ったり、環境が悪いと病気になります。ほとんどの病気はかかった部分が最後は枯れる結果になります。

芝の病気の種類は次の通りです。

  • ラージパッチ(葉腐病)
  • ダラースポット
  • さび病
  • ピシウム病

葉が枯れているように見えるラージパッチやダラースポット
葉の所々が黄色くなるさび病
芝地が蜘蛛の巣のようなもので多い付くされるピシウム病

どの病気も薬がありますが、病気になった芝の対処は芝生を張り替えることが一番早いです。

張り替えるのが出来ない場合は薬を撒いて病原菌を抑え込み、芝を元気にしていき、症状を出ないようにしていきます。この方法は時間がかかります。どの病気も早めの対処が必要で、時間が経てばたつほど深刻化し、薬では手に負えなくなります。

土壌に芝の病原菌が残っていることがありますので芝を張り替え、薬を散布することが一番いいです。

ここまでが初級編です。この3つのポイントを抑えれていれば芝生が元気に育つ準備ができます。

【中級編】数年放置した芝地の4つの対応策

続いて、芝生の環境を整えてあげても上述しただけでは改善できない問題が芝生には発生します。

ここからは、そんな問題を以下の4つに絞って紹介します。

  1. 雑草
  2. 芝刈り
  3. 肥料

芝地に苔が生えていたら取り除かなければいけません。苔は湿地、芝は水はけの良い土壌で育つものなので苔と芝は対称な生き物です。

芝を減らすのは水はけの良さと太陽光があれば自然と消えていきますが時間がかかるので、苔が無くなる薬を使っていきます。

koketori

上の画像のような芝生枯らさない苔専用の除草剤を撒くことで芝地の苔が消えていきます。

雑草

雑草は芝の栄養を根こそぎ取りますし、本来の芝が育つ育成箇所を邪魔します。

放置している芝地の雑草を減らすのは人の手だけは困難で、芝以外を枯らせる除草剤が効果的です。この除草剤は庭木も枯らしてしまうので庭木の周りでは使用厳禁です!!

除草剤が嫌いな方は芝の雑草取りを1週間に1度のペースで行いましょう。毎日でもいいくらいです。理由はもちろん雑草を減らす為ですが、数年放置した芝地の雑草はかなり手強いです。そして、芝地の雑草取りはかなり困難です。

雑草が繁殖しにくくなるサイクルになるまで雑草取りを行いましょう。

※雑草のサイクルについては「ご自宅周りの雑草を本当に減らしたいと考えている方へ」

芝刈り

続いて芝刈りですが、芝を回復するために芝を張りかえた箇所がある方は、この部分だけは芝がきちんと根付いた後に芝刈りを行いましょう。

全域を張り替えることになる方は「芝を張って何年?高麗芝の育成方法」こちらに芝を張ってから1年以内の育成方法について書いてありますのでご確認ください。この手順を守れば確実に芝を綺麗に育てることができます。

肝心の芝刈りについてですが芝の性質について知らない方が多いので、まず芝刈りの頻度と方法について抑えていきましょう。

芝刈りの方法は

芝刈りの方法は「芝を張って何年?高麗芝の育成方法」のページの芝の3分の1刈り特性について知る必要があるのでお読みください。

芝刈りの間隔

芝刈りの頻度ですが、芝が伸び切ってから芝を刈るという考えから、ある一定の期間で刈るという風に変え、芝を刈っていきましょう。

最低でも1カ月に1度、梅雨明けから9月までは1カ月に2度の芝刈りを行いましょう。

この間隔で刈れば、芝の育成を阻害せず刈ることができる最低限度の間隔になります。これ以上期間をあけて芝を刈るといつまで経っても芝がスカスカの状態で産毛のようなままになります。

芝生の肥料

中級編はこれで最後になります。

元気にするためには肥料あげていればいいのでは?と最初に思う方がいると思いますが、肥料が一番最後になります。

肥料が一番最後に書かれているのは上述してきたことが解決しなければ、肥料をあげても芝が栄養をきちんと吸えなかったり、土壌が固く肥料の栄養がきちんと浸透しなかったり、雑草が栄養を根こそぎ吸収し芝の育成を阻害してしまうといった理由にあります。

肥料は何をあげるの?

肥料は液肥と固形肥といった形状の肥料があります。

  • 3月から5月ごろまでは固形肥料を散布
  • 5月から9月までは液体肥料を散布
  • 9月から11月までは固形肥料を散布
  • 11月から3月までは必要なし

この肥料の散布の仕方をオススメしています。

芝が落ち着いている時期に即効性のある液肥を撒いても吸収する勢いがないと考えていますので、芝が落ち着いている時期には固形肥、芝の伸びるスピードが速い時期には液肥をあげるようにしています。また、この間の肥料散布頻度は購入している肥料の用法によります。

また、芝が回復してきて、肥料をあげるようになると芝の伸びるスピードは速くなります。

芝刈りの頻度を増やして密度の濃い綺麗な芝に育ててきましょう。

まとめ

ここまで芝地の復活方法と対応策について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

この記事で紹介したポイントをおさえておくと、時間はかかりますが芝地を復活させることができます。

最後にまとめます。

【初級編】荒れた芝地を復活させる3つの見直しポイント

  1. 芝に必要な日なたになっている確認する
  2. 水はけの良い土壌にする
  3. 枯れている部分は芝生を張り替え、病気の対処をする

【中級編】数年放置した芝地の4つの対応策

  1. 苔は芝と相いれないので除去する
  2. 雑草も芝の栄養を奪うので除去する
  3. 芝刈りの特性を理解し、芝刈りをきちんと行う。
  4. 肥料は用法用量を守って撒く

芝を放置していると必ずこの問題に直面することがほとんどです。

ぜひ参考にして綺麗な芝地に回復できればと思います。