こんにちは、世田谷の植木屋、沼山造園の沼山です。

先日、常緑樹の広葉樹の剪定について記事を書かせてもらいましたが、今回は「常緑樹の針葉樹」の剪定と剪定時期ついて書いていこうと思います。

常緑樹の針葉樹とは


常緑樹の針葉樹(しんようじゅ)は、四季を通じて緑色の葉(針葉)を保持する樹木を指します。針葉樹は、葉が針状や鱗片状であり、常緑樹は一年を通じて緑の葉を持ち続ける樹木です。

常緑樹の針葉樹の種類

主な常緑樹の針葉樹には、モミ、ヒノキ、スギ、マツ、ヒマラヤスギ、最近流行りのゴールドクレストやエレガンテシマなどがあります。これらの樹木は、寒冷地から温帯地域、亜熱帯地域まで、さまざまな気候や環境で見られます。針葉樹は、その特徴的な針状の葉が水分の蒸発を抑え、乾燥や寒冷に耐える効果があります。

常緑樹の針葉樹は、観賞樹や林業、防風林などさまざまな目的で利用されています。その美しい姿や木質が評価され、庭園や公園、街路樹、風景の一部として広く栽培されています。また、木材としても重要であり、建築材料や家具、紙パルプなどの製造に使用されます。

以上が、一般的な常緑樹の針葉樹の種類ですが、種類によってはこの分類に含まれないものや、独自の特徴を持つものもあります。

剪定とは

剪定は植木の成長や形状を整えるために行われます。正しい剪定をすることで、植物の成長を促進し、綺麗で健康的な植物を育てることができます。この結果、病害虫の発生を防止することがきます。

剪定する際の注意点について理解することが重要です。怪我や事故が起こりやすく最近では熱中症などの原因にもなっています。

常緑樹の針葉樹の剪定の目的

常緑針葉樹の剪定には、以下のような目的があります。

  1. 樹木の軽量化・安全確保の目的
  2. 空気循環を促進する目的
  3. 樹形を整える目的
  4. 枝の伸びを抑制
  5. 枯れ枝の撤去
  6. 新しい芽の促進

樹木の軽量化・安全確保の目的

常緑樹の針葉樹は1年を通して葉がつき、葉の量もどんどん増えていきます。また針葉樹は根が浅いものが多く、倒木の事例がいくつもあり、危険です。放置しておくとどんどん樹木が重くなり、悪天候が続くと倒木や枝折れなどといったことが起きてしまいます。

私の会社でも新規のお客様から電話を頂くことが多く、倒木で2階建ての高さのコニファー類が道路の方に倒れ、歩道や道路を塞いでしまったという連絡や電線にひっかかり電力会社に緊急の対応をしてもらっているのを見ています。

a fallen tree

剪定によって枝数や葉の量を減らすことで軽量化され、事故を未然に防ぐことができます。

空気循環を促進し太陽光を当てる目的

常緑樹の針葉樹は剪定によって、枝や葉の密集を解消することで、風通しを良くすることができます。これによって、樹木内の空気の循環を促進し、病気の防止できます。

風通しが良い剪定は太陽光が幹まであたるので新芽を促進することができます。常緑樹の針葉樹に頻繁に起こる幹に近い位置の葉が枯れてしまうということを防ぐことができます。

この剪定を行っておくと常緑樹の針葉樹で行い難い強剪定が適切な時期に行いやすくなります。

樹形を整える目的

常緑針葉樹は成長が速く、大きく枝を広げてしまこともしばしばあります。このような場合には、樹形を整えるために、剪定によって枝をカットすることで、美しい形を保つことができます。

枝の伸びを抑制

剪定によって、枝の伸びを抑制することで、伸びにくい枝にすることができます。

枯れ枝の撤去

常緑針葉樹は葉が多く、枝葉同士が触れてる箇所は枯れやすいです。枯れた部分を剪定することで、新しい芽や葉が生えやすくなります。

新しい芽の促進

剪定することにより、新しい芽をふかせることもできます。

「常緑樹の針葉樹の剪定」秋から冬の10月~1月に剪定したほうが良い理由

基本的に常緑針葉樹の剪定の時期は秋冬の10月~1月に行います。

常緑樹の針葉樹の秋から冬剪定

常緑樹の針葉樹を秋から冬間に剪定を行う理由は次の3つの通りです。

  • 成長の終息期
  • 病気や害虫のリスク低下
  • 回復の早さ

成長の終息期

秋は針葉樹の成長が終息し、休眠期に向かっている時期です。新芽や葉の成長が緩やかになり、剪定によるストレスが最小限に抑えられます。剪定によって樹木の形状やサイズを変えることができます。

病気や害虫のリスク低下

秋は寒冷な季節であり、多くの病原菌や害虫の活動が低下する時期です。剪定によって生じた傷口が感染しにくく、剪定後の樹木の健康状態を保ちやすくなります。

回復の早さ

秋剪定後、樹木は休眠期に入るため、剪定によるストレスへの回復が早くなり、樹木の健康な状態を維持しやすくなります。

寒すぎる時期の剪定は良くない

冬は多くの針葉樹が休眠期に入る時期です。寒すぎる冬の時期に剪定を行うと、切られた枝や葉が低温による損傷を受ける可能性が高まります。再生が困難となり、樹木の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

秋冬剪定を行う前に、地域の気候や樹木の特性を考慮することが重要です。一部の針葉樹は、寒冷地や高地での冬剪定が適していますが、暖地や亜熱帯地域では秋剪定が推奨されることがあります。また、特定の樹木については、専門家に従うことが望ましいです。

常緑樹の針葉樹の春剪定は行わない方がいい

一般的に、常緑樹の針葉樹の春剪定は推奨されません。春は針葉樹が成長する活発な時期であり、新芽や葉が出始める時期です。そのため、春に剪定を行うと、樹木の成長や新芽の発生に対して不必要なストレスを与える可能性があります。春剪定は以下の理由から避けることが一般的です。

  • 成長を妨げる
  • 剪定後の手入れが煩雑になる

常緑樹の針葉樹の春剪定は成長を妨げる

成長を妨げる: 春は樹木が活発に成長する時期です。剪定によって枝や葉を大幅に削減すると、樹木の成長が妨げられる可能性があります。新芽や葉の発生や栄養蓄積が重要な時期なので、過度な剪定は成長に悪影響を及ぼす場合があります。

春剪定後、樹木は急速に成長し、新芽や葉が出てきます。この成長の速さにより、剪定後の手入れや形状管理が難しくなる可能性があります。剪定後の管理や枝の整理が追いつかず、見た目や樹木の健康に影響を及ぼす可能性があります。

常緑樹の針葉樹の春剪定後の手入れが煩雑になる

ただし、特定の場合や樹木の状態によっては、春剪定が必要な場合もあります。例えば、枯れた枝や病気の症状が確認された場合、安全上の問題がある場合などです。しかし、これらの剪定は必要最小限にとどめ、樹木の健康と成長を最大限に考慮する必要があります。

常緑樹針葉樹を秋に剪定するデメリット

常緑樹を秋に剪定することには、以下のよう2つのデメリットがあります。

  • 剪定によって傷ついた部分から病気や害虫が侵入する可能性があります。剪定後の適切な処理や消毒が必要です。
  • 剪定後に寒冷な冬に霜害を受ける可能性があります。寒冷地では注意が必要です。

常緑針葉樹の夏の剪定は厳禁

最近都内を運転をしていて思うことですが、常緑針葉樹が枯れているのを頻繁に見かけます。このほとんどが夏場の剪定を行ったであろうものが多いです。

夏場は針葉樹の蒸散量が多く剪定により、樹木内の蒸散のバランスが崩れ一気に枯れてしまいます。また病気や害虫が夏は多くの病原菌や害虫が活発になる季節です。剪定によって生じた傷口が感染源となり、病気や害虫の侵入リスクが高まる場合があります。

いずれも枯れてしまう原因になるので、夏の常緑針葉樹の剪定はやらない方がいいでしょう。

常緑針葉樹の強剪定時期

常緑針葉樹は背が高くなるものが多いため、ご依頼内容をお聞きしていると、たくさん剪定したい、背を小さくしたい、木を小さくしたいというご要望を聞きます。このたくさん剪定することを「強剪定」と呼びます。

強剪定を行う場合は秋口から冬にかけた寒くなってきた時期、10月末から12月頃をオススメしています。樹木がどれくらい元気なのかを確認したうえで剪定できる量を決めます。

常緑針葉樹をたくさん切るときの注意点

常緑針葉樹を強剪定をするときに一番注意してもらいたい点は必ず枝先に葉を残して剪定します。葉を残さずに剪定すると常緑針葉樹は新芽がでにくいので残った枝が枯れてしまう原因になります。

常緑針葉樹を強剪定を行う時は太い枝や幹を切ることが多いので、強剪定後は樹木の保護が必要になります。癒合材などを使い切り口の保護を行い、細菌が侵入しないよう、早急のケアが必要になります。

切りすぎは植木が枯れる原因になるため、時期を間違えず過度な剪定を行わないようにしましょう。

また剪定時はハサミやノコギリといった道具を使うと思いますが、適切で清潔な道具を使い、剪定箇所の田断面など綺麗に切ることで病気の予防になります。

常緑針葉樹の剪定方法

常緑針葉樹の剪定方法はまずは葉が一切ついていない枯れている枝、または緑色の葉が一つものない茶色の葉だけがついてる枝を剪定します。

次に切り戻し剪定や枝抜き剪定を行います。交差している枝、密集している枝など、樹木の健康や形状に影響を及ぼす可能性のある枝を選び切り取っていきます。

常緑針葉樹はクリスマスツリーのような樹形を求められることが多いため、上部の枝先は幹に近く、下部にいくほど枝先は幹から遠ざかるように切っていきます。

植木屋からしての常緑針葉樹の剪定について思うことですが、松やゴールドクレストなども常緑針葉樹に分類されるので、他の木々に比べて剪定が難しいと思います。

このように思う理由として、どれが葉っぱや新芽で、どこまでが枝なのか、どうやって成長していくのか判断しにくいものが多いかと思います。

まずは葉っぱがどれなのか知っていくことで剪定が可能になるかと思います。

【まとめ】常緑樹の針葉樹の剪定と剪定時期について

常緑樹の針葉樹の剪定は、樹木の健康維持や形状調整、安全確保などの目的で行われます。適切な剪定時期の選択が最重要です。

秋冬剪定は秋の終わりから冬にかけて行われます。この時期に行うことで、成長の制御や病気・害虫の予防が可能となります。剪定の方法では、古くなったり枯れたりした枝の切り取りや、交差している成長すると枯れてしまう枝を剪定していきます。適切な剪定道具を使用し、安全対策にも注意する必要があります。

常緑樹の針葉樹の剪定の目的、剪定時期の選択の重要性、基本的な剪定方法、注意点認知して樹木の健康と美しさを保つことができて頂けたら幸いです。

この記事を読んで、自分で常緑樹の針葉樹を剪定をできそうにないと思われた方は、植木屋や庭師に相談することがおすすめです。

この記事を書いた植木屋の世田谷区にある沼山造園では、剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。

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