こんにちは。世田谷の植木屋、沼山造園の沼山です。
今回モミジの植え方や育て方、剪定とお手入れについてのまとめについて書いていきます。
モミジとは
モミジは、カエデ科カエデ属に属する落葉高木で、最大で高さ10メートルにも達することがあります。葉は手のひらのような形をしている。春には新緑が美しく、秋には紅葉が美しい。また、多くの品種があり、葉の形や紅葉色が異なります。
モミジは漢字で紅葉と書きますが、今回の記事では樹木名をモミジ、秋に葉が彩ることを紅葉という区別でわけて書いていこうと思います。
モミジの基本情報は以下の通りです。
- 学名:Acer palmatum
- 英名:Japanese maple
- 科属:カエデ科カエデ属
- タイプ:高木/落葉樹
- 樹形:幹立ち
- 樹高:5~10m
- 開花期: 4~5月
- 結実期:6~10月
モミジの特徴
モミジは、日本原産のカエデ科の落葉樹の一種で、紅葉の名所にかかせない樹木です。葉の形が手のひらを広げたような形をしており、多くの品種があります。
モミジは、春には新緑が美しく、秋には紅葉が美しいため、庭園や公園などでよく植えられます。また、モミジの葉は、日本の伝統的な文化である折り紙や書道の素材としても用いられます。
食用としては、モミジの若葉を塩漬けにして、「もみじ漬け」として食べられることもあります。また、モミジの実からはメープルシロップの原料は取りにくいとされています。
モミジの花
モミジにも花が咲きます。モミジの花は、春先に咲くものが多く、一般的には目立たない小さな花が咲きます。モミジの花は、風に乗って散布されることで、種子を広める役割を担っています。ただし、紅葉のように多くの人が注目する花ではないため、開花時期や花の様子については、あまり知られていないかもしれません。
モミジの実
モミジの実は、種子を包むように形成された果実で、秋に色づきます。モミジの実は、一般的に食用としては用いられず、観賞用や植物の繁殖材料として使われることが多いです。
モミジの実は、種子を取り出して植えることができます。ただし、種子から育てる場合は、発芽までに1年以上かかることがあります。また、モミジの実を収穫する場合は、完熟した実を収穫し、種子を取り出してからすぐに植える必要があります。それ以外の場合は、種子が乾燥してしまい、発芽率が低下してしまうことがあります。
モミジの実には、種子以外にも、果皮に含まれるアントシアニンやポリフェノールなどの色素が豊富に含まれており、食用以外でも利用されることがあります。また、モミジの実は野鳥の餌としても親しまれています。
モミジの品種
モミジにはいくつもの品種があります。
- イロハモミジ
- オオモミジ
- ヤマモミジ
イロハモミジ
イロハモミジはムクロジ科カエデ属の常緑高木で、一般的にモミジと呼ばれるのはこのイロハモミジをさします。イロハモミジの名前は、古くからある五十音図の「いろは」の最初の文字から名付けられました。
主な特徴としては、小さな葉が深緑色でつややかであること、また春先に緑色の小さな花を咲かせ、秋には赤く紅葉することが挙げられます。また、日本の文化や風土に深く根付いた樹木であり、庭園や公園などの観賞用樹木としても愛されています。
イロハモミジは、日本原産のモミジの一種で、古くから日本で親しまれてきました。その歴史は古く、古事記や日本書紀にも登場するほどです。
また、平安時代から鎌倉時代にかけては、貴族たちによって庭園に植えられ、紅葉の美しさが愛されました。江戸時代には、一般庶民の間でも庭木として広く栽培されるようになりました。
現在では、イロハモミジは日本だけでなく、世界中で栽培され、紅葉の美しさが愛される木の一つとして知られています。
オオモミジ
オオモミジはムクロジ科カエデ属の常緑高木で高さ20メートル以上になる大木です。日本では、森林の中に自生しています。園芸品種がお庭で広く普及されています。
江戸時代には、オオモミジが茶室や庭園の植物としても重用され、さまざまな品種が作出されました。また、武家の庭園や公家の屋敷、寺院などでも広く栽培され、その美しい姿形や秋の紅葉の美しさから、庭木や街路樹としても広く愛されるようになりました。
ヤマモミジ
ヤマモミジは、カエデ科カエデ属に属する落葉高木で、主に日本、朝鮮半島、中国東北部に自生しています。日本国内では、北海道から九州にかけて広く分布しており、山地の森林に生育しています。ヤマモミジは、日本の古典文学や俳句、狂言、能楽などの演目でも、しばしばヤマモミジが登場します。また、ヤマモミジの紅葉は、秋の風物詩としても有名で、多くの人々に愛されています。ヤマモミジは、日本の自然や文化に深く根付いた樹木の一つとして、広く親しまれています。
モミジの植え方(植栽)
モミジの植え方は次の通りです。
- 植える場所の確認
- 穴を掘る
- 樹木の根を整える
- 水をやる
- 支柱を立てる
- マルチング
モミジを植える手順について、詳しく説明します。
モミジを植える場所の確認
モミジを植える場所は、日当たりが良く、品種の特性に合わせて植える場所を変える必要があります。
ヤマモミジ系統は、保水性の良い、特に湿った土壌や湿気の多い場所に適しています。ただし、排水の悪い場所では根腐れや病害虫の発生のリスクが高くなります。
イロハモミジ系統はある程度乾燥に強い性質があります。また、水はけがよく、排水性の良い土壌が好ましいとされています。ただし、完全な乾燥を避けるため、適度な湿度が保たれるような環境を整えることも大切です。また、風通しも良く、日当たりの良い場所に植えることが好ましいとされています。
オオモミジは肥沃な土壌が好まれます。水はけが良く、風通しの良い場所が適しています。また、水分には過敏であり、乾燥に弱いため、適度な湿度を保つことが大切です。適度な日当たりと風通しの良い場所に植え、より健康的で美しい樹木を育てることができます。
穴を掘る
植えるモミジの根が収まる深さと同じ深さの穴を掘ります。樹木の根が浅いと、風で倒れたり、水が十分に吸収できなくなったりすることがあります。穴の直径は、根が広がる大きさに合わせて適切に決めます。穴の土を取り出し、石や根っこを取り除きます。
樹木の根を整える
モミジを植える前に、根を整えます。鉢植えから樹木を取り出した場合、根がからみあっていることがあります。その場合には、からみあった根を慎重に解いて、根が伸びやすいように整えます。また、根が傷つかないように注意しながら作業を行います。
水をあげる
モミジを植えたら、たっぷりと水を与えます。水は、モミジが根を張るために必要です。十分な水を与えることで、しっかりと根を張ることができます。
支柱を立てる
1m以上のモミジの場合、植えた直後に支柱を立てる必要があります。支柱は、樹木が風で倒れたり、倒木になったりしないようにするためのものです。支柱を立てる際には、樹木に傷をつけないように注意してください。
モミジの植える時の注意点
モミジが元気に育つための植え方は次の5つに気を付けなければいけません。
- 風通し
- 土壌改良
- 植える時期
風通し
モミジは、十分な日当たりと風通しの良い場所が適しています。日当たりが不十分だと、葉が落ちたり、病気にかかったりすることがあります。風通しの悪い場所だと、カビや病気が発生しやすくなるので、風通しの良い場所に植えるようにしましょう。
土壌改良
モミジは、排水性の良い土壌を好みます。また、やや酸性の土壌を好みます。植え付ける前に、土壌改良を行うことで、適切な土壌環境を整えるようにしましょう。
植える時期
モミジの植え付けは、春と秋が適しています。春の植え付けは、開花前の木を植え付けるため、開花を楽しめるメリットがあります。一方、秋の植え付けは、地面がまだ温かいため、根が張りやすく成長が促進されるメリットがあります。ただし、寒冷地の場合は、冬前に植え付けることもできますが、寒さに強い品種を選ぶ必要があります。また、夏の暑い時期には植え付けを避けることが望ましいです。
植木を枯らさずに植える方法はコチラ
基本的な植木を枯らさずに植える方法は下記のボタンより別ページに記載しておりますので気になる方はご覧ください。
モミジの木の価格
モミジの木は意外と高価なものが多いです。
モミジの価格(販売価格)は木の高さが1メートルまでなら5,000~20,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら20,000~60,000円程度。3メートルまでなら60,000~100,000円程度が目安となります。
仕立物だと簡単に10万円を超えるモミジもあります。
植木は季節もので、同じ形のものはありません。お値段の変動が激しいので植えたい方は必ず御見積後のご案内になります。
モミジを植える料金
モミジの植える料金は木の高さが1メートルまでなら10,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら2,0000円程度。3メートルなら30,000円程度が目安となります。
モミジの育て方
モミジの育て方は剪定、肥料、水やり方法を変えるなど、知識が必要です。
剪定
モミジは、強い萌芽力を持つ樹種の一つです。細い枝や細い幹を切り戻すと、新しい芽がたくさん出てきて再生します。ただし、太い枝に切り戻した場合は、樹勢が弱くなってしまうこともあるため、適度な剪定が必要です。また、若い木の場合は、剪定を行わない方が良い場合もあります。萌芽力の高い性質は、美観を高める枝ぶりを形成することにつながります。ですのでモミジは盆栽などにもご利用されます。
モミジは樹形が整った状態で成長するため、枝を切る際には、整った樹形になるように調整しましょう。また、太い幹や枝を切る場合には、専門家に相談することをおすすめします。
モミジの剪定のコツ
モミジの剪定のコツはハサミやノコギリを使いますが、切る回数(切り口)を減らすということになります。切り口付近から萌芽力のおかげで剪定後に大量の枝がでてきます。切り口の数だけ枝が出てくるということになります。
細い枝から太い枝の中間点くらいで良い剪定箇所を探し、切る回数を減らすように剪定します。こうすることで剪定後に枝がたくさん生えてくるのを防ぐことができます。
逆に言えば、枝を増やしたい箇所があれば切り口を増やすことで枝を増やすことも可能です。
植木を枯らさずに剪定する方法
庭木の基本的な剪定方法と枯らさずに剪定する方法は下記のボタンをクリックしてお読みください。
肥料
モミジには、窒素・リン酸・カリウムの3つの栄養素が必要です。肥料を選ぶ際には、それらの栄養素がバランスよく含まれているものを選びましょう。また、無機肥料だけでなく、有機肥料を使用することで、土壌環境を改善することもできます。
有機肥料を与えることで、モミジ周りの湿気を改善しうどんこ病になるのを防ぐことに繋がります。
モミジの有機肥料は鶏糞や油かす、牛糞堆肥などの有機肥料が適しています。また、堆肥を作って自家製の有機肥料を使用することもできます。
水やり
【水やりの頻度】
モミジの水やりの頻度は、季節や気温によって異なります。春や秋は、土が乾燥している場合に水やりを行い、夏は特に水やりに注意が必要です。乾燥気味の土壌には適度な水分を与え、水はけの悪い土壌には過剰な水分を与えないようにしましょう。
【水やりの方法】
モミジの水やりは、地表からではなく、根元からたっぷりと与えることが重要です。樹液が流れる樹皮に水をかけると、樹皮が傷つき、腐敗することがあるため、避けるようにしましょう。また、夏場は朝早くや夕方涼しくなってから水やりを行い、水やりのたびに鉢土が十分に濡れるように行います。
モミジの剪定料金
モミジの剪定料金は木の高さが1メートルまでなら3,000円程度。 木の高さが2メートルまでなら5,000円程度。3メートルなら8,000円程度が目安となります。
モミジの剪定時期
モミジの剪定に適している時期は春と秋から冬にかけてが適切です。
- 春剪定:モミジが芽吹き始める前に、新芽を促すために枝先を切り落とします。また、古くなった木の枝を取り除くとともに、葉が密集している場合には、適度に間引きを行います。
- 夏剪定:夏場には、過剰な枝葉を取り除き、風通しを良くします。ただし、猛暑の日に剪定をすると、モミジが枯れる場合があるため、涼しい時間帯を選びましょう。
- 秋剪定:秋には、不要な枝を取り除きます。また、樹形を整えるために、高さや幅を調整することもできます。
剪定の際には、過度に削りすぎないように注意することが重要です。また、ハサミの刃は鋭く、切り口はきれいに仕上げるようにしましょう。剪定後は、切り口に傷口剤を塗布すると、菌や虫の侵入を防止できます。
以上が、モミジの剪定についての基本的な方法です。モミジの種類によっては、剪定時期や方法が異なる場合がありますので、種類ごとに適した方法を確認することが大切です。
【まとめ】モミジの適切な育て方
モミジの育て方のまとめは以下のようになります。
- 日当たりと水はけの良い場所に植える。
- 植え付け時期は秋または春。
- 土は中性からやや酸性のものを選ぶ。
- 適度な水やりと肥料を与える。
- 剪定は適宜行い、形を整える。
以上のように、モミジは育て方によって美しい枝ぶりや紅葉を楽しむことができます。日当たりや水はけに注意し、剪定や肥料の管理も適切に行うことが肝要です。また、冬期には凍結に注意し、保護を行うことで、樹木を健康に保つことができます。
この記事を読んで、ちょっと自分でモミジの植栽や剪定をできそうにないと思われた方は、植木屋に相談することがおすすめです。
この記事を書いた世田谷区にある沼山造園では、剪定・植栽などのお見積もりを無料で相談することができます。庭木などのお悩みがある方も、気軽に利用されているので、この機会に是非一度相談してみてください。