ハナミズキの花はかわいいですよね。柔らかい印象があって赤色の中央には白い模様があって桜の花が終わった後に見れる落ち着くお花。

こんな印象があるハナミズキ。植えた当初はよく花が咲くんですよね。これにもちゃんとした理由があります。そんなお話もふまえてハナミズキの花が咲かないとお困りの方へ書いていきます。

ハナミズキの花が咲かなくなった3つの理由

ハナミズキとは?

落葉樹で樹高が13mほどまで大きくなる花や実が可愛らしいハナミズキですが、ヤマボウシという樹木によく似ていてヒメシャラと同じように落葉樹のシンボルツリーとして奥様方に好かれ植えていることが多いです。

(補足)落葉樹のシンボルツリーによく使われている樹木

タイトルにもあげているハナミズキやヤマボウシの他に、こんな落葉樹もあります。

モクレン
モミジ
ヒメシャラ
ドウダンツツジ
カシワバアジサイ
ザクロ
カツラ

紅葉を楽しむものやお花が綺麗だったりと樹木により楽しむものが異なります。小さい樹木でお花を楽しむならカシワバアジサイなどを沼山造園ではオススメしています。

お花が豪快で見事なものです。普通のアジサイとは葉の付き方も違うので、普通のアジサイと一緒に植えても楽しいかもしれません。

他にも樹木の形が綺麗なヒメシャラというものがあり、成長速度も遅いので最近ではハナミズキと同じくらいお庭に植えています。

ヒメシャラについてここに書いてあるのでご興味ある方はこちら→(ヒメシャラを育てるうえで見逃せない2つの注意点)を見てみてください。

肥料をあげればいいだけではない

これからハナミズキを植えようかな?最近ハナミズキを植えたばかりだけど私の家のハナミズキもこうなるの?という方もいると思いますのでゆっくりと読み進めてみてください。

植えた年だけは綺麗に咲く

様々な落葉樹がありますが、よくお客様から聞くのが「このハナミズキ!植えた年だけお花が咲いたのよ!」と。植えてから翌年、数年経った今はもう咲いていないんですね。

まず、なぜ植えた年だけ綺麗に花が咲くのかご説明します。

それは植木を販売しているお花屋さんや樹木販売の業者さんがその時に必要な「ハナミズキの大きさ」と「根っこの大きさ」に対して「水の量」と「肥料の量」を適切に与えているからです。

ポットで売られている植木の土に、白い玉などを見たことはありませんか?これは固形の肥料になります。

販売業者さんは適度に毎日水を与えています。植物は根で水を吸うときに土に溶け込んだ肥料の栄養も同時に吸います。

販売しているハナミズキは栄養とお水は完璧ということです。

それなら植えて数年経ったハナミズキにも、とりあえず肥料とお水を与えればいいの?と思うかもしれませんが、ただ単に肥料をあげればいいというわけではありません。

詳しくご説明していきます。

ハナミズキをしっかり根付かせる必要がある

一つ目のハナミズキの花が咲かない理由がしっかりと地面に根付いていないからです。

何をあたりまえのことを言っているの?と思うかもしれませんが、これが樹木が生きていくうえで一番大事なことなのでしっかり読んでください。

根付いていないというのは木がグラグラしているということです。この確認方法は木を少し押せばすぐに分かります。

木の大きさにもよりますが、根元からグラグラと動いた場合は要注意です。お花だけでなく木が倒れる可能性があります。

この状態では根が土に絡んでいないので、適量の水が吸えず、栄養も吸えない状態で、どれだけ水をあげようが肥料をあげようが吸えないので効果が薄いということです。

また、ハナミズキは泥っとした土ではなく、どちらかというとサラサラとした水が浸透しやすい、水はけのよい土を好むので、しっかりと根付かせることがなかなか難しいのです。

ですので、木が根元からグラグラしている場合は添え木を必ずしてあげます。

添え木の方法

添え木を土に深く刺し、だいたい木の全長の7割くらいの所に添え木を当ててあげます。

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ご自宅にある木の大きさはそれぞれ違うと思うのでおおよその目安で上の画像の赤丸部分くらいに添え木をし、ヒモで木と添え木をしっかりと結びます。

※ ヒモを結ぶ際に気を付けて欲しいこと

幹に直接ヒモをぐるぐると巻くと幹が傷つくので、ご自宅にある段ボールなどで保護しましょう。植木屋さんは下の画像のように杉の皮や緑化テープなどを巻いて幹を保護しヒモで結んでいます。

支柱をする必要性や支柱をするときの大事なことは(植栽した支柱がない植木の元気はありますか?)に書いてあります。お時間がある方はご覧ください。

ハナミズキが花を咲かせる為に必要な時期に適量の栄養が足りない

ハナミズキの花が咲かない2つ目の理由が必要な時期に必要な量の栄養が土の中にないということです。

お水だけではだめなの?と良く聞かれますが、土壌に栄養が無限にあるわけではありません。

自然界ではいろいろな条件で栄養が循環していますが、自宅の敷地内ですとそうもいきません。では、いつどのように肥料を適切に与えたらいいのかご紹介いたします。

ハナミズキの花が咲かない人が肥料をあげるベストな時期

確実に花を咲かせるためには1年に2度、夏と冬あげるとより効果的です。

夏の肥料

ハナミズキのお花は地域によりますが幅広い地域でみて4月ごろから6月ごろまで咲きますね。ですので、だいたいの人は花が咲く少し前にあげればいいのかな?と思いがちですが、花を咲かせるためには花芽という芽ができなければお花は咲きません。

ということは花芽ができる時期を知って、その前に肥料をあげ、花芽をつくる準備を手伝ってあげる必要があります。

ハナミズキが花芽を作り始める準備時期は7月から8月です。

そして10月頃にはぷっくりと丸い花芽ができあがります。ですので花芽を作るには7月には肥料をあげなければいけません。

夏場はハナミズキが枝を伸ばしたり、花芽をつくったりと忙しく栄養を大量に必要としますので。この時期にあげる肥料は即効性のある液肥が有効です。

冬の肥料

花芽ができたからといって油断できません。花芽を作るのにも栄養がたくさんいるのですが、花を咲かせる為には開花させるエネルギーが必要です。

ですので追い肥という形で、冬場にも肥料をあげます。

冬場で適切な時期は2月で固形の肥料をあげます。固形肥料はおよそ1カ月から2カ月ほどかけて徐々に土に溶け込みハナミズキが活動し始める時期に適量を吸うことができ、開花を施します。

実際に売られている肥料の画像

植物に必要な栄養は限られているのでお花関係のことが書いてあればハナミズキのお花にもほぼ関係あります。

下の画像は実際に売られている化成肥料の画像です。

chemical-fertilizer

下の画像は実際に売られている液肥の画像です。

liquid-fertilizer

肥料の与える範囲

肥料を与える場所は樹木の大きさにより変わります。

ハナミズキの根っこは枝先の真下まで伸びるのでその枝先の真下までが肥料を与える範囲です。

簡易的ですが下の画像を参考にしてください

液肥の場合は範囲全域に用法用量を守り、幹にかからないようにあげます。
固形肥料の場合は赤いサークル上の枝が伸びている真下あたりにあげます。

ハナミズキの枝数が多い

花が咲かない3つ目の理由は枝数が多いからです。

枝数が多いと木が大きく成長するために使う栄養しか蓄えることができず、花芽を付ける栄養まで行き届かないということです。

この状態を解決するためには枝を切る剪定というお手入れを行います。

木をスカスカにする為に剪定をするのではないんです。丸坊主にするわけでもないです。

見栄えなど気にかける方が多いと思いますが、実際に剪定している動画もこちらに掲載するのでこれくらい切るのか、と思っていただければと思います。

実際のハナミズキの剪定とはどういうものか

数年剪定をしていなかったハナミズキの剪定ですが、花が咲いているときにお客様から連絡がありました。

大きくなりすぎて花付きが悪くなってしまったこのハナミズキの動画は、開花最中に剪定していますが来年の開花に向けて剪定しています。

少し病気になっていたので透かしていくという感じで剪定していきます。

下記の動画は作業内容をまとめたものです。セキュリティー強化のため、動画視聴の際はクリックやタップをすると動画を読み込むようになっていますので、お手数ですが2度クリックやタップをお願い致します。

動画の途中でミモザの伐採も流れますが、ハナミズキの剪定がメインですね。

枝も少なくなり、次の年は大分お花が咲いていました。

実はハナミズキは自分で剪定できる

上述した通り肥料を与え支柱をし、剪定をしていればハナミズキは毎年花を咲かせることが出来ます。

肥料と支柱は道具さえあれば簡単にできる作業ですが、なかなか剪定は手が出せないって思いますよね。

実は、花を咲かせるためにするお手入れするのであれば適切な時期に切ると普段より簡単に剪定が可能です。

その簡単な時期とは、10月が過ぎた花芽ができた後です。

これは花芽が11月頃になるとほぼ完成しているので花芽以外を切っていくことができからです。花芽はプクっと膨らんでいて、葉っぱの芽はシュッと尖っています。

このシュッとした葉芽の枝を切ると、花芽を切らずに済みます。

この時全ての葉芽を切るのではなく、勿体無いですが花芽も間引きながら切ることも大事なのです。

もともと咲きにくくなっていて剪定をするのであれば、枝数が多いはずです。また、花芽が多すぎても全て咲かす栄養がハナミズキに蓄えられない可能性があります。

花芽ができても咲くとは限らない

「花芽が沢山ついていたんだけど、全然咲かなかった」なんてことがあります。

これにも4つほど理由があります。

  • 害虫が悪さをしている
  • 病気になっている
  • 水が多い
  • 1年おきに花が咲いている

害虫と病気の悪さ

ハナミズキが花芽があるのに咲かないときは害虫と病気が悪さをしている場合があります。

花芽がついているのに花が咲かない原因の病名は灰色カビ病です。

病気の理由は、うっそうとしている木は蒸れて虫が集まりやすく隠れやすくなります。そ虫による食害部から菌が侵入、または樹木がなんらかの傷を負い、そこから侵入です。

剪定不足の風通しの悪さもほかのカビ病を引き起こし葉っぱが白くなってしまいます。代表的な病名はうどんこ病です。

一度病気になってしまうと、完治は難しいので最初からきちんと剪定をすることが大切です。

剪定をすることによって、病気の早期発見と害虫にとって住みにくい樹木の環境造りができます。

水が多すぎる

なんでも与えすぎはよくありません。

水が多くて何故花が咲きにくくなるのかと言いますと、木は水を吸い葉っぱから少しずつ水を出しています。この水が多すぎると葉っぱから出す水の量を多くしないといけない、とハナミズキが考えます。

この時、花芽に選ばれていた芽が葉芽に変り葉っぱを多くしようとします。

適度な水あげは土が乾いてからたっぷりあげるです。

ご自宅の土壌により水はけが変わりますので水をあげてみて表面が乾くか試してみましょう。

1年おきに花が咲く

花が1年おきに咲いているときは1年で花に使うエネルギーを使いすぎで、新たに蓄えるのに時間がかかっている状態です。毎回花を咲かすのに本気なんですね。

これを調整することができます。それがまた剪定なんですがデメリットがあります。なぜなら花芽を切ってしまうからです。

満開ではなくなりますが一年で咲かせる花の量を調整して、来年の開花にむけてエネルギーを残す剪定をしていきます。こんなことが可能なのです。

これは剪定時期は2通りあり花芽ができたころに花芽を間引くか切るか、花が咲いている時期の終盤に剪定を行います。少しでも早くお花を摘むことにより栄養を使わずにすむことになります。

ハナミズキの花が咲かなくなった3つの理由のまとめ

植えた時には綺麗に咲くハナミズキは、シンボルツリーに使われたりと綺麗な花や実をつける樹木。

ハナミズキは大きくなってくにつれて土壌の栄養が足りなくなり、木がグラついてくることがあるのでしっかりと支柱をして根付かせ栄養を吸えるようにする。枝が多い場合は、剪定をして木を落ち着かせる。

花芽ができても咲かないときもあり、いくつか対策があるがなかなかハナミズキの開花は難しい。