この記事はゴールデンウィークを終え、5月の中旬を迎えたころ、会社に電話がなり東京都の世田谷区の方からサザンカに毛虫がいるとのことで急遽お客様のご自宅に向かった時のことです。

チャドクガ駆除終わりにイラガを発見

山茶花(サザンカ)に毛虫と言われれば一番に浮かんだチャドクガで、お客様のご自宅に付き駆除にとりかかりました。

手慣れたもので30分から1時間ほどでチャドクガ駆除の作業を終え、お庭を見させて頂き唖然としたものです。

ご自宅にはサザンカ、ハナミズキ、柿の木、ツゲといった木が植えていて綺麗なってると思いきや柿の木に異変を見つけました。

チャドクガの駆除

チャドクガはとにかく近寄ってはいけない毛虫の一つで駆除も一つ間違えば毒針の餌食になってしまいます。

被害は具体的に言えば毒針がささり腫れて痒くなります。この痒さが尋常じゃない。かゆみ止めを処方してもらわないと寝れないくらいになります。

またこの症状が広がる危険性があるのです。

今回はこのチャドクガのことではなく違うイラガという毒毛虫のことなのでチャドクガについて知りたい方は『庭にあるツバキを嫌いにならない為の3つのステップ』を見てみてください。

上述の記事はチャドクがの特徴や生態、どんな庭木に付くか、もし毒針にやられてしまったときの対処の仕方が書いてます。

それではイラガについてです。

イラガの生態と特徴

イラガは産み付けられた植木についている卵から孵化し幼虫が生まれます。そして産み落とされた植木の葉を食べ大きくなり、繭の中に隠れサナギになり成虫まで成長して繭から出て活動し、成虫が卵を産みます。このサイクルでイラガは生きています。

詳しい生態が知りたい方は沖縄県庁に載っていた『ヒロヘリアオイラガの侵入経路と生活史』という記事をご覧ください。

イラガは成虫には毒がなく幼虫の毛虫の時期に毒を保持していてとても危険です。また卵も触れたときに痛かったことがあったので毒がどこかにあるのかもしれません。卵も気を付けましょう。

虫の画像が出てきますので見るのも嫌だ!!という方は上の目次から知りたい項目に飛んでください。

Monema-lavescens

黄色から緑っぽい色をしている毛虫で、一つの卵から数十匹も生まれてきます。

孵化したときは1㎜ほどで葉を食べて大きくなると3㎝ほどの大きさになり、この色なので葉の色と同化しているのでなかなか気づけません。気づいたときには時すでに遅しといった感じで、間違えてイラガに触れ、バチっと電気が流れるような激痛が走る毒針を持ち、酷いときは触れた箇所が腫れます。

孵化したばかりの小さなイラガは群衆で葉の裏に生息し葉を食べ、大きくなると単独で活動します。

また、成虫は毒がないことは書きましたが、寿命も長くありません。イラガのことについて詳しくなってほしいわけでないので大事なことだけ書きますが、この短い寿命の間で、安全に孵化し、幼虫の餌がある箇所に卵を産み付けるという労力を短い時間で行うので、一度イラガが発生した付近は再度発生しやすいということです。

また、あくまでも体験談ですがチャドクガもイラガも幼虫が大きくなればなるほど毒が強い感じがします。。また薬剤の対処の時に思いましたが大きくなった毛虫の方が生命力が強いので駆除しにくいです。

イラガの行動範囲

木が大きく自分の家のベランダの方に伸びていたり、道路に枝がせり出していると葉に触れる可能性がある。また枝が壁やベランダの手すりに触れてた場合、それをつたって洗濯物に移動したり、自分だけでなく歩行者にも被害を与えてしまう危険性がある。

今回、発見したイラガは群衆で活動していた幼虫の中でも生まれたての方で、葉をたくさん食べて大きくなると一匹一匹が植木の中で単独で行動するようになり、1匹発見すると何匹も同じ所にいないので植木全部を見渡さなければならない。

こうなると発見が容易でなく探すときに余計に被害が出ます。

イラガを発見できた理由

イラガを発見できた理由は3つ。

  • 庭木に落葉樹があった
  • 枝の分かれ目に繭の形跡
  • 特徴のある葉っぱの食べられかた

それぞれの具体的な説明は次の通りです。

庭木に落葉樹

イラガは主に落葉樹(カキやサクラ、ハナミズキ、柿の木など)に住みつきます。

チャドクガの発生する時期と重なっていて、どちらも5月くらいから9月頃(最近は10月まで見ます)、1度から2度ほど幼虫が発生します。

お伺いしたご自宅にはハナミズキ、柿の木の2本の落葉樹があり、今まで薬剤散布をしたことが無いということで時期も時期なので少しこの2本を観察することにしました。

2020年11月17日に追記です。

昨日、ヒイラギにもイラガを発見しました。目視で発見しましたので、間違いありません。また先日シラカシとアラカシにもいましたのでお庭にある方はお気をつけください。

枝の分かれ目にイラガの繭

イラガの繭は特徴的で、白っぽい卵に茶色の線が入ったどこかハチの巣のを連想させるような模様で枝の分かれ目に付いてることが多い。

ちょうど枝の分かれ目に大きな親指くらいの繭らしきものがあり上部が割れているのが見えたのでここにイラガがいたことがわかったので次に葉を調べました。

特徴のある葉っぱの食べられかた

イラガの葉っぱの食べ方は特徴的で小さいときは群衆で動き葉脈を残し葉肉を食べます。

Monema-lavescens-crowd

レースカーテンのように葉の葉脈だけが残りすけすけの葉っぱが落葉樹にあればイラガの存在を疑っていいと思います。葉の裏にいなければその付近の葉に移動し続きを食べています。

今回もすけすけの葉っぱにイラガを発見できたのです。

庭木の害虫の発見の手順などについてはこちらの「都内のお客様から聞く「庭木に付く害虫」による被害の3つの特徴と、害虫を見つける6つの手順」に書いていますので、庭木の様子が変だな、虫がいそうだなと思った方は、この記事を見てみると発見できるかもしれません。

2022年9月23日に追記です。

一昨年にヒイラギにイラガがいたことを書きましたが今年は金木犀にもいました。

金木犀は常緑樹です。あまりイラガを金木犀で見かけなかったので驚きでした。

画像も添付しておきます。お気をつけください。

下の画像はイラガに食べられた金木犀

上述したように葉肉のみを食べ白くスケスケのような状態になっています。

eaten-leaves

下の画像は金木犀についた、まだ群れで行動するイラガたち

Iraga-in-kinmokusei

おそらく卵から孵化して数日から1、2週間というところかと思います。

まだ、小さいですが、きちんと毒があり危険です。道路に面していたので早めに気づけて被害が無く終われたので安心です。

孵化したばかりのイラガを駆除する2つの方法

駆除方法はいくつかあり、タイミングが大事です。上述した通り、孵化したばかりのイラガなら群れで動いてることが多く群衆を発見できればその付近に残りのイラガがいます。

ご自身で駆除をするときは安全第一に駆除をしてください。怪我やイラガの毒針に触れてしまわぬようお気をつけください。

イラガの駆除方法を紹介します。

  • 発生箇所の枝を剪定する
  • 薬をかける

これらの方法は手の届く範囲に発見した場合にやってほしい駆除方法です。高い位置にイラガを発見した場合、葉の裏に1匹でいて既に大きい場合は植木屋さんか駆除業者に頼むことをオススメします。

駆除をするときは厚手のゴム手袋を付け、軽装でなく皮膚を隠す服装にしましょう。あと用意するのはキッチンハサミと二重にした葉を入れやすい袋を用意してください。

発生箇所の枝を剪定する

葉の裏に群衆のイラガを見つけたら枝をハサミで切っちゃいましょう。剪定するときは切った枝が袋に入るように枝の下で広げているするとイラガが飛び散ったりしないので安全です。

薬をかける

ホームセンターで毛虫退治!毛虫に効く!とかかれていればイラガにも効きます。イラガは薬剤に弱い方なのでスプレーを噴射すると死んでしまいます。

稀に群衆から外れて行動するものもいます。スプレーは少し残すようにしましょう。

※薬をかける時の注意点※

イラガは薬をかけると葉からぽろぽろと落ちていくので死骸を回収しないといけません。ちりとりとホウキで回収したりひばさみのようなもので摘ままなければなりません。決して手で触れないようにしましょう。死骸にも毒は残っています。

今後イラガを寄せ付けない3つの対策

イラガの幼虫の発見は難しいことは上述した通りですが、落葉樹に付きやすいことから冬場に葉っぱが樹木から落ちて木の輪郭がはっきり見えます。

また敷地外からイラガが飛んで卵を産み付けていくこともあります。そのため、イラガは以下のつの対策をすることにしよう。

  • 薬剤を散布する
  • 剪定を忘れない
  • 繭を退治する

これらを守っていればイラガの被害に合わなくてすみます。

一つずつ説明しますが、まず下記の説明を見てもらいたい。

どの時期も対策ができる

簡単に書いていきますが、この記事を春夏秋冬、どの時期に見てもイラガに困ってる方がすぐに対策ができるように書いています。

まずは春の対策
この時期は薬剤散布

夏の対策
この時期も薬剤散布

秋の対策
剪定

冬の対策
繭退治

と春夏秋冬どの時期でも対策は可能です。

それでは詳しい説明

薬剤を散布する

どれもホームセンターで販売されていて簡単に散布でき、孵化したばかりの幼虫を駆除できることと、イラガを寄りにくくなるということ、薬剤が付着した葉を食べた幼虫は死んでしまうこと。これらを全てまかなえることから薬剤は春夏(4月から9月)に行うことができる対策です。

※薬剤の注意点※
薬剤は長くても1カ月半ほどしか効果がありません。冬季の薬剤はイラガには効果がありませんので春先に散布しましょう。

剪定を忘れない

植木の枝が混みすぎると葉が重なり合い薬剤散布をしても全体に付着しないことがあります。また枝が混みあった植木の中は虫の隠れ家として最適で卵を産み付けやすい状態です。

剪定をし、風通しが良い状態にしておくと人が見ても植木の異変に気付くことができます。

落葉樹の剪定時期は葉が落ちてくるころが最適なので秋の時分が適切でしょう。

繭を退治する

イラガの繭は白地に茶色のまだら模様が特徴的です。

Monema flavescens cocoon

迷彩柄とまでは言いませんが葉が付いてる時期より落葉している時期に植木をじっくり観察すれば、この繭を見つけるのは簡単です。

意外と固いですが見つけしだい棒で突っついて壊してください。これで繭退治は完璧です。

もしイラガに触れてしまったら

触れないのが一番ですが触れてしまったら落ち着いて対処しましょう。

目の付近に触れたときはこの記事を読んでる場合ではないのですぐに病院に行きましょう。

イラガに触れたときの対処の手順はこの流れが良いと思います。

  1. 触れた箇所を粘着テープでペタペタ
  2. 水で洗い流す
  3. 皮膚炎の薬を塗る

この時、気を付けるのは触れた箇所を手で触らないことが大事です。

詳しい説明をします。

触れた箇所を粘着テープでペタペタ

イラガの触れた箇所には目に見えない毒針がまだに残ってる可能性があります。その箇所を手で触れると、触った手にも毒針が刺さる可能性があります。

被害が広がってしまうのを防ぎましょう。粘着力の強いテープでペタっとすると毒針が取れます。

水で洗い流す

毒を大量の水で洗い流しましょう。粘着テープと洗い流すことは必須です。体に毒を残さないようにし炎症を終えましょう。

皮膚炎の薬を塗る

触れた箇所は多少は腫れてくるはずです。コンビニやドラッグストアにも皮膚炎伴う痛み止めやかゆみ止めの薬は販売されています。これを塗りましょう。

腫れがひどい場合はすぐに皮膚科を受診することをオススメします。

まとめ

イラガの生態周期を理解し、どの時期にイラガがどういう形でいるかわかれば、イラガの異変があれば触れないように駆除をする。イラガは4月から9月ごろまでと長い期間、危険な状態で木の周りを徘徊していて触れると激痛が走るので駆除と対策が必要になる。

この時は安全第一で取り組むことが大事で、被害や怪我をしないようにしましょう。